[サンフランシスコ/フランクフルト 11日 ロイター] - 米アップル<AAPL.O>は、iPhone(アイフォーン)の省電力性能を左右する電源管理技術を、欧州の半導体メーカー、ダイアログ・セミコンダクター<DLGS.DE>から6億ドルで取得すると発表した。ダイアログは引き続きアップルに製品を供給する。

アップルが今回のような買収を行うのは異例で、規模も最大となる。顔認証技術「フェイスID」を手掛けるプライムセンスの買収額は3億5000万ドルだった。

アップルは10年前のiPhone発売以降、一貫してダイアログの電源管理集積回路(PMIC)を利用してきた。今回の合意では、特許のほか、300人強の技術系職員らなどの取得金として3億ドル、また製品供給の前払金として3億ドルを支払う。

ダイアログは2018年の売上高への影響はないと説明。アップルには今後も既存のコアPMICを供給するほか、カメラなどを管理するサブPMICについては将来の製品も販売していきたいとした。

ダイアログのバゲルリ最高経営責任者(CEO)はロイターとのインタビューで、アップルは機器の性能をつかさどるコアPMICを戦略的部分と位置付け、直接的な関与を求めたが、サブPMICはその対象から外れたと明らかにした。

今回の合意により、ダイアログの総売上高に占めるアップルの割合は、今年度の約75%から2022年度には35ー40%に低下する見込み。

ダイアログの株価はこの日25%急騰し20.76ユーロ。一時34%値上がりした。同社は今年に入り、アップルが他社の半導体を利用する計画だと表明し、株価が急落していた。アップル株は横ばい。

*内容を追加しました。