米フォードが正社員削減へ-110億ドル規模リストラ計画の一環
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【人事戦略デザイナーの視点】
17兆円企業フォードモーターの人件費は、およそ1.7兆円程度と推測される。
グローバル20万従業員の10%にあたる2万人を削減するのだから、コスト削減効果は単年で1700億円程度。
リストラ目標が1兆2500億円なので、単年効果ではリストラ総額の14%程度にしかならない。
リストラ金額は、複数年分の効果を計上するのが常なので、どの程度を人員削減が占めるのかは現時点の情報では不明。
金額よりも注目すべき点は、組織再編の具体策としてフラット化を明言している点。
付加価値を生まない中間管理職が、数多くいるという課題が背景にあることは明らかである。
この傾向は、従来型のヒエラルキー組織、業績追及型組織、リーダーシップ型組織、コンピテンシー重視型組織、これらの一部、あるいは全部が機能しなくなってきている兆候。
記事を見て『ウチは大丈夫か?』と懸念する経営者の方がいるようであれば、自社の組織や人事制度に関して、上記視点をチェックすることをお勧めする。
リストラ後の組織設計図と組織ビジョンが無ければ、リストラ自体が失敗する危険性もある。Fordは虎の子のF150というピックアップトラックを製造販売しており、税率も軽いことからアメリカではセカンドカーとして大ベストセラーとなっている。全米で最も売れる車なのだ。ガソリン価格はジワリとだんだん上がってきているので、燃費の悪いピックアップトラックがいつまで売れるのか?という問題は横たわってはいるが。
こんな売れまくるピックアップトラックを擁していてもそれでも調子悪いというのがなあ…
アメリカってレイオフがサクッと決まるとザーッと一気に首切りがあるから恐ろしい。デトロイトには元Ford、元GMのUberドライバーが山ほどいる。Bloombergの英語原文は、少し詳細に書いています。
フォード社は2019年の中頃まで、労働者削減規模を決定。
好調、不調の地域別に労働者削減幅が決まるかもしれない。ヨーロッパ、アジア、南米で不調。北米事業は主にFシリーズピックアップトラック(デカイ、燃費悪)のおかげで利益増。
記事通りに読むと、北米事業は削減幅は少なく、ヨーロッパ、アジア、南米はリストラ策深化。
そもそも、トランプ政権下での北米失業者増は圧力がかかるため、削減を積極的にできないでしょう。北米ピックアップトラック一本槍の加速は止まらないでしょうか。
英語原文
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-10-05/ford-prepares-to-cut-salaried-jobs-in-11-billion-restructuring