【本田技術研究所社長】失敗でしか学べないこと

2018/10/17
AI、ビッグデータ、遺伝子、エネルギーetc. テクノロジーの進化によって世界が変革されようとしている今、「ものづくり」のレガシーであるHondaが動こうとしている。徐々に加速する「Honda R&DセンターX(通称:HGX)」、そして「Honda Xcelerator」。そのエンジンとなる哲学とは何か。Hondaのテクノロジーのコアである本田技術研究所代表・松本宜之氏に迫る。松本氏は9月11日に行われたIGPI Tech Day 2018で、「開発への想い〜Hondaのチャレンジ〜」について講演を行った。その講演録と講演後のインタビューを公開する。

異常なチャレンジの歴史

――2016年に本田技術研究所の社長に就任し、翌年には「ロボティクス」「モビリティシステム」「エネルギーマネジメント」などの新領域を担う研究開発組織である「R&DセンターX」を立ち上げました。
また、同時にオープンイノベーションを推進する「Honda Xcelerator」を国内はもちろん、アメリカ、中国、欧州、イスラエルなどグローバルに展開すると発表。
松本さんの社長就任以降、Hondaが転換期を迎えようとするのか。
松本 私がなぜ、これらの新プロジェクトに取り組んでいるのか。そこには、多くの理由があります。ひとつは、リーマン・ショック以降の時流の変化です。
創業者である本田宗一郎はこう語っています。