大企業の意思決定はやばい。海外投資家が見た日本企業の現状
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日本の大企業には「イノベーションの改革」よりも「パワー改革」が重要だとアニスさんは訴えます。イノベーション創出を目標に掲げる大企業が日本には多いにもかかわらず、経営のスピードがあまりに遅い。大企業のヒエラルキーのおかげで、他社に先を越されたり、あるいは消滅してしまったり、という有望プロジェクトもきっと多いことでしょう。
そういえば、9月のデロイトトーマツイノベーションサミットで、世界で戦えるスタートアップの育成というテーマについて話し合われ、その中でサイバーダインの山海嘉之社長が、「会社から(新規事業として)スピンアウトしたり、支援を受けながら一つの母体から飛び出していけたりするような風土も大事」と指摘していました。
古くはIBMがスカンクワークス(最先端分野の極秘開発チーム)を作ってIBM PCを開発したり、ソニーの社内ベンチャーからエンジニアリングワークステーションの「NEWS」が生まれたり。プレイステーションや(初代)アイボもそうだったのでしょうが、最近でもソニーが社内ベンチャーのような新チームを立ち上げて、電子ペーパー搭載型の腕時計といった新規事業が生み出されています。逆にソニーを飛び出したエンジニアによる生体認証ベンチャーなどが注目される事例も出ています。
ソニー創業者の井深大氏は、「技術者がその技能を最大限に発揮することのできる“自由闊達にして愉快なる理想工場”を建設し、技術を通じて日本の文化に貢献すること」という設立趣意書を残しました。何もソニーに限った話ではないですが、メーカーにとってはこれまで誰もやらなかった製品づくりにエンジニアが自由闊達に取り組める環境づくりこそ何より大事。それを100%体現しているのが技術系のスタートアップでしょう。スタートアップとのコラボレーションを通じて、大企業が受ける刺激は大きいと思います。アニスCEOは、話していて意思決定が早い会社、どこが意思決定しているのか見えない会社について、記事には出ていませんが具体的な名前も教えてくれました。なるほど、という感じがありました。
スタートアップが元気なのはアイデアがあればスマホであまり資金をかけずにサービスを開始できることとともに、意思決定が早いことが挙げられます。
大企業も組織のあり方を考えなければいけません。