【TSUTAYA AI】「自分だけの名作」で人を幸せに。サービス開発秘話

2018/10/4

数学者の夢破れ再起

──今回は、阿部さんと内田さんが映画をレコメンドするAIを開発することになった経緯を教えてください。
阿部 僕たち2人は、もともと大学(早稲田大学)の同期です。2016年の「T-VENTURE PROGRAM(CCCのベンチャー企業向け協働プログラム)」に2人でプロダクトを持って応募して最終審査会まで進みました。そして2017年からはCCCに入社し、開発を続けてきました。
──それ以前は、内田さんと阿部さんで会社を経営していたのですか?
阿部 いえ、違います。以前、僕は北海道のガス会社に勤めていました。
内田 僕は大学で数学を研究しながらフラフラしていました。起業家に数学を教える家庭教師をやったりしていました。
──起業家に数学を教えるとは?
内田 社会人向けの数学塾で教師のアルバイトをしていたんです。僕は数学しかできなかったので、他には統計分析のライターやベンチャー企業の助っ人をやったりしていました。
実はそれ以前に、非常に落ち込んでしまった時期がありまして……。もう仕事も何もせずに家でゴロゴロしていたら、映画大好きな阿部が『タクシードライバー』を見て元気出せよ、と励ましてくれたんです。