100万ドルをためて、30代でリタイア。FIREムーブメントとは

2018/9/22
ミレニアル世代のリタイア宣言
カール・ジェンセンが「覚醒」したのは2012年ごろのことだった。
コロラド州デンバー郊外に住むジェンセンは、医療機器が専門のシステムエンジニアだった。とにかく緊張を強いられる仕事だ。
食品医薬品局(FDA)に報告できるようにプログラミングは逐一記録しておかねばならないし、ミスがあれば人の健康を損なうか、最悪の場合は命を奪いかねない。
年収は11万ドル(約1200万円)で福利厚生も充実していたが、ストレスに見合う仕事とは思えなかった。帰宅後も、家族団らんを楽しむどころかトイレで便器を抱えてすごす日々。いつしかジェンセンは5キロも痩せていた。
ある晩、とりわけしんどい1日のあとで「早期リタイアをする方法」をネット検索し、目からうろこが落ちた。
さっそく妻と相談し、計画を立てた。収入の大部分を貯蓄に回し生活コストを徹底して切り詰め、5年で120万ドルの資産を築く──。
2017年3月10日、ジェンセンは15年働いた会社に退職届を出した。厳密には「退職」ではない。リタイアしたのだ。
43歳だった。