[ニューヨーク 14日 ロイター] - ニューヨーク外為市場は、ドルが主要通貨バスケットに対し上昇した。好調な米景気指標を好感したほか、トランプ大統領が約2000億ドル規模の中国製品に対する追加関税措置を指示したと伝わり、安全資産とされるドルに買いが入った。

米10年債利回り<US10YT=RR>が6週間ぶりに3%を付けたことも、ドルの追い風となった。

オフショア人民元は、景気指標がまちまちの内容だったことを受け下落、トランプ氏の対中追加関税指示報道を受けて一段安となった。

8月の米小売売上高は前月比0.1%増と、6カ月ぶりの小幅な伸びにとどまった。ただ7月の数字は当初発表の0.5%増から0.7%増へ上方改定され、第3・四半期に経済が底堅く伸びたとの見方は変わらなかった。

9月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値や、8月の鉱工業生産指数も明るい材料と受け止められた。

BNYメロン・インベストメント・マネジメントの首席ストラテジストは「ドルは上昇する。一時的なものに終わらないだろう」と語る。

今週は消費者物価指数が市場の失望を誘い、インフレ加速予想が後退したが、この日の指標が補う形となった。月内の利上げ観測に変化はないとアナリストらは話す。

シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが来年までに国内経済成長や雇用の重しとなり始めるとの認識を示した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.4%高の94.926。週間下落率は0.4%に縮小した。

ユーロ<EUR=EBS>はこの日、2週間ぶりの高値を付ける場面があったが、その後値下がりした。EBSのデータによると、ユーロは対ドルで0.5%安の1.16325ドル。

英ポンド<GBP=D3>は対ドルで0.3%安の1.3063ドル。ロイターのデータによると、早い時間に一時1.3145ドルと7月31日以来の高値水準を記録した。

ドル指数は前日、6週間ぶり安値付近に下落した。英国と欧州連合(EU)が離脱条件面で進展があったと伝わり、ユーロとポンドが押し上げられ、安全資産とされるドル需要が縮小した。

ドル/円 NY終値 112.04/112.07

始値 111.80

高値 112.16

安値 111.80

ユーロ/ドル NY終値 1.1628/1.1633

始値 1.1699

高値 1.1705

安値 1.1619