【堀江貴文×ゆうこす】女性も男性も、HPVワクチン打った? 

2018/10/6
若い女性に多い病気
司会:寺田有希(以下、寺田) 堀江隆文さん著、予防医療普及協会監修の『健康の結論』(KADOKAWA)発売記念イベントの第1部では、モテクリエイターのゆうこすさん、産婦人科医の稲葉可奈子先生をゲストに、予防医療や子宮頸がんについて語り合っていただきます。
堀江 じゃあ、まずは、稲葉先生に「子宮頸がんとは?」をレクチャーしていただきましょうか。
稲葉 わかりました。ご存じの方も多いと思いますが、子宮がんには子宮の奥のほうにできる「子宮体がん」と、子宮の入り口のほうにできる「子宮頸がん」があります。
このうち、近年は子宮頸がんが年々増加傾向にあって、しかも子宮頸がんは、ゆうこすさんのような20代、30代といった若い世代に多い病気なんです。
ゆうこす そうなんですね。
堀江 そうなんですよ。
稲葉 はい。子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus:HPV)で、このHPVを発見したドイツのハラルド・ツア・ハウゼン博士は、2008年にノーベル医学生理学賞を受賞しています。
HPVが子宮頸がんの原因になることはよく知られていますが、実は男性の陰茎がんや、男女問わず発症する中咽頭がんの原因にもなります。
稲葉可奈子(いなば・かなこ)/医師、医学博士、産婦人科専門医
2008年京都大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院での初期研修ののち、産婦人科へ進路を決め、東京大学医学部附属病院、三井記念病院を経て、東京大学大学院にて医学博士号を取得。正しい知識の啓発によって、1人でも多くの人が賢く幸せに生きられるよう、子宮頸がん予防や性教育の改善などを自らのミッションとして熱く胸に抱きながら、現在は関東中央病院にて産婦人科診療に従事。家庭では二児の母。
堀江 それに、尖圭コンジローマもそうですよね。
稲葉 そうですね。尖圭コンジローマは性感染症で、一度かかってしまうとなかなかわずらわしい病気です。
堀江 例えば、ペニスの先にニワトリのとさか状のイボがブツブツブツ…とできてきます。
稲葉 それで治療をしても、免疫力が下がったときなどに何度もしつこく発症してしまうんですよね。
堀江 だから、延々と治療を繰り返したり、常にイボが気になったりと、QOL(生活の質)がかなり下がる病気ですよね。
稲葉 その通りですね。
「定期検診で早期発見」は2次予防
稲葉 子宮頸がんに話を戻すと、HPVに感染したからといって、すぐにがんになるわけではありません。感染から何年かかけて、「異形成」というがんになる前の状態を経てから、がんになります。
ですので、定期的に検診を受けていただけば、そのがんになる前の状態で見つけることができます。ただ、これはあくまで早期発見。本当は、病気にならないほうがいいですよね。
ゆうこす はい、ならないほうがいいです!
菅本裕子(すがもと・ゆうこ)、ニックネームは「ゆうこす」/モテクリエイター
1994年福岡県生まれ。2012年にアイドルグループ「HKT48」を脱退後、ニート生活を送るも、16年に自己プロデュースを開始。「モテクリエイター」という新しい肩書を作り、個人事務所KOSを設立。SNSを駆使してファンを広げている。Instagram、Twitter、LINE、YouTubeなどのSNSのフォロワーは100万人以上。著書に『SNSで夢を叶えるニートだった私の人生を変えた発信力の育て方』がある。
稲葉 そうですよね。予防医療の考え方には、1次予防と2次予防がありまして、早期発見は2次予防になるんです。可能であれば、病気になるのを未然に防ぐ1次予防ができたほうがいい。
子宮頸がんも、検診で2次予防ができますが、HPVワクチンを接種することで、1次予防ができます。そういうことを多くの方に知っていただきたくて、さまざまな活動をしているのが、堀江さんが立ち上げた予防医療普及協会ですね。
堀江 そうです。検診で早期発見できればいいんじゃないかと思っている人も多いんですけど、HPVに感染したあと、軽度異形成、中等度異形成と進んでいくと、がんではないとはいえ、QOLが下がるんですよ。
異形成が見つかった段階で、3カ月とか半年ごとに検診を受けないといけない。そのたびに、内診台に乗って足を開いて、子宮の入り口の組織を器具でパチンと採取して、生検をすることになる。
稲葉 組織を取るときの痛みはそれほど強くはないんですけど、ゆうこすさんのような若い女性が、婦人科に通って、内診台に乗らないといけないのは、ちょっと抵抗がありますよね。
ゆうこす はい、ちょっとイヤですね。
堀江 異形成って、中等度異形成まではわりと元の状態に戻ってしまうんだけど、それでも異形成があるうちは、数カ月ごとに経過を観察しないといけない。その間ずっと、「もしかしたら、がんになるかもしれない」って不安に思っているのもイヤじゃない?
ゆうこす めっちゃイヤです!
堀江 めっちゃイヤだよね。僕が自分でそうなったら、絶対にイヤだと思う。
寺田 それはできることなら、回避したいですよね。
ゆうこす はい、絶対に回避したいです。
堀江 そうでしょう。でも、このがんになるプロセスを理解している人って、意外と少ないんですよ。例えば、軽度異形成ですって言われただけで、がんになったと思ってしまう人がいる一方で、軽度異形成って言われたのに、放置してしまう人もいる。
実際にこの前、「私、軽度異形成って言われたんですけど、病院に行くのが面倒でそのままにしています」っていう人がいて、びっくりしたんですよ。だって、ずっと放置していたら、高度異形成に進んでがん化してしまう可能性があるんだから。
稲葉 そうなんですよね。だから、堀江さんがおっしゃるように、がんにならなかったとしても、異形成の前がん病変があるだけでQOLに影響が及んでしまうんですね。
HPVワクチンによる1次予防を
稲葉 でも、1次予防でHPVワクチンを接種すれば、7割はがんになるのを防ぐことができます。
ゆうこす 7割も防げるんですね。あの、私は普通の20代の平均の倍以上、相当信じられないくらい、健康に関しては無知なので、アホちんな質問をしたら申し訳ないんですけど、HPVに感染して、がんになるまでの途中で、痛みとか何か症状を感じることはあるんですか?
稲葉 感じないんです。それが怖いところなんですよね。子宮頸がんの自覚症状の1つに不正出血がありますが、それがある頃にはもう、がんが相当進行した浸潤がんで見つかることが多いんです。
ですので、子宮頸がんを防ぐには、定期検診をしっかり受けていただきたいのですが、HPVワクチンを接種していれば、異形成になるリスクが下がるので、検診の間隔をあけることもできます。
堀江 ゆうこすはHPVワクチンは打った?
ゆうこす 実は私、高校生のときに1回目を打ったんですけど、2回目、3回目は打っていないんですよね。
というのも、注射が怖くて、1回目のときに倒れてしまって。それがトラウマになって、そのあとは行けなくなってしまったんです。