【独占】ドンキPBトップが語る「価格よりも大切なもの」

2018/9/16
「ルイ・ヴィトン」のバッグから、メーカーの在庫処分品まで。ドン・キホーテの店頭には、ありとあらゆる商品が陳列されている。
その幅広い商品や、独特の陳列によってドンキは小売業で異色の存在感を放ち、アマゾンなどのEC勢力の台頭により、多くのリアル店舗が苦しむ中でも、29年連続で増収増益を続けている。
そんなドンキの中で今、注目を集めるのがプライベートブランドだ。
昨年には、それまで10万円は超えるとされた「4Kテレビ」を5万円台で販売し、1週間で3000台も売り、世間の話題をさらった。
なぜ「ものづくり」のプロではないはずのドンキが、PBでヒット商品を生み出すことができるのか。NewsPicksは、PB事業のトップである小田切正一氏を直撃した。
小田切正一/ドンキホーテホールディングス執行役員兼ドン・キホーテSPA開発本部本部長

売り場で「売価」が決まる

──ドンキホーテホールディングスは、チェーン化・画一化する小売業の中でユニークな店頭を武器に、29期連続で増収増益を達成しました。
おっしゃる通り、今、小売業は全体的に画一化しつつありますが、我々は真逆の発想で完全な個店主義です。
商品を堆く陳列する「圧縮陳列」や、賑やかなPOPがひしめく店頭は、お客様の目を引きますが、中途採用で入社した私は、ドンキのプライシングに驚かされました。
お客様のことは、各売り場の責任者が一番わかっているだろう、それは適正価格についても同じだということで、値付けの権限も、各店の担当者にあるんです。
考えてみれば、地域によってお客様の経済状況や競合店舗が違うので、同じ商品だからという理由で、一律同じ料金にする必要はありません。
だから、現場の勝負勘を信じて、アルバイトスタッフであっても売り場の担当者であれば価格の決定権があります。