苦渋の決断。業績低迷で希望退職を募る
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2010年末に300人から2013年春には8倍以上の2500人にまで拡大したGREE。3年弱で8倍の組織になるというは、はっきりいって想像ができないレベル。いまも年率30%程度の成長を続けているGAFAですら、そのような組織拡大はしていない。その後すぐに「事業規模に適切な組織規模に」戻したと田中氏自身も言うように、明らかに不適正な組織拡大を行ったのは明らかだろう。
ただ、それを5年後のいま振り返って「あれは間違った意思決定だった」と断ずるのは、僕ですらできるぐらい簡単なことだが、本当に振り返るべきなのは、あの時、あのタイミングとあの環境のなか、なぜそのような半ば常軌を逸したようなスピードでの組織拡大が急務だと、田中氏を始めあれだけ優秀な人材が経営を固めていた組織が感じ、ブレーキを踏むことなく崖を目指してアクセスをベタ踏みして進んでいってしまったのか、そうした組織イナーシャと環境認識を歪ませる「重力場」のようなものがなぜ発生するのか、そこに僕自身の関心はある。その当時のGREEの人材獲得のスピードはとてつもないもので、僕の周りでも本当に優秀な人が続々とGREEに転職していった。そうした人材もGREEの成長は間違いないと信じ、参画していったわけだが、それでも記事内にもある「スマホネイティブアプリ」の開発はいくつもの課題を抱えてなかなか進まず、2013年に100億円減損にまで至ってしまった。
先日、ソフトバンクの通信会社が上場するというニュースがあったが、SBの孫氏も、過剰なまでの先行投資で借金をしまくりながら、それこそアクセルべた踏みでいまも邁進し続けている。今回の上場で2.6兆円程度の資金調達をするが、一方で有利子負債も18兆円と天文学的な規模にまで膨れ上がっている。先行投資の賭けに半ば破れた田中氏と、いまも勝ち続けている(ように見える)孫氏。手法やスタンスが同じでも、二人を分けるものとは、結局のところ結果の違いでしかない。経営者とは本当に辛い商売である。それでも、いまここで、こんなに正直でストレートな思いを吐露してくれる田中氏の真摯で前向きな姿勢に感服するしかない。貴重なお話ありがとうございます。
注目のコメント
時系列、数字で振り返りたい。
設立が2004年12月(サービスインはこれまでの回にあったようにもっと早い)、2008年12月に上場。そこから下記にあるように2012年6月期まで毎期倍増するような成長だった。そしてそこから2013年6月期には売上微減、現在はピークから売上半減。
記事に2010年末に300人ほどだった社員が、2013年春には8倍以上の2500人になったという記載がある。それも異常な伸びだと思うが、業績も異常な伸び。そしてこれだけ伸ばすことも、伸びているとはこれだけ採用するという意思決定をするのも、そして実際に採用をするのも、実際にその現場にいればとんでもない日々だったのだろうと思う。
また、特損は出しているが、継続事業の営業レベルではCFは回っていて、そのなかで早い時期に人員に手を付けたというのは、組織や経営者としては簡単な意思決定では絶対ない。
2008年6月期 売上30億円・営業利益11億円
2009年6月期 売上140億円・営業利益84億円
2010年6月期 売上352億円・営業利益196億円
2011年6月期 売上642億円・営業利益311億円
2012年6月期 売上1582億円・営業利益827億円
2013年6月期 売上1522億円・営業利益486億円
…
2018年6月期 売上779億円・営業利益94億円元グリーの方は、優秀な人が多い。
でも、辞める人がかなり多い印象があって、どういう会社なのか関心があったから、この連載を読めてよかった。
「ファミ通のガバス」、懐かしいです^_^ちょうど、2013年にグリーにジョインし、希望退職の対象にもなっていたりしたけど、その後異動してゲーム開発に関わることができて、いまとなってはとても良い経験ができたと思っている。2013年以降財務体質もキャッシュリッチになっていって、事業への再投資も可能になっていったり、ゲーム開発もネイティブシフトも一定成功したりと、「常に前向きに挑戦する。成功するまでやり続ける」というバリューを体現しているし、粘り強さと底力がある会社だなぁ、と思う。働きながらいろいろなことを学べた会社だった。