[7日 ロイター] - 米電気自動車(EV)メーカー大手テスラ<TSLA.O>の株価が7日の取引で一時約9%下落し、2年ぶりの大幅安となった。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の振舞いが問題視されているほか、最高会計責任者(CAO)の退職が懸念材料となっている。

テスラはこの日、約1カ月前にCAOに就任したばかりのデイブ・モートン氏の退職を発表。規制当局への提出文書によると、モートン氏は「世間の注目度と仕事のペースは予想を超えるものだった」と説明。「テスラ指導部などと不和はない」としている。

モートン氏離職のニュースが伝わる前には、マスクCEOがコメディアンのジョー・ローガン氏と2時間半にわたるウェブ生番組でウィスキーを飲み、マリファナ(大麻)を喫煙したことがソーシャルメディア上で大きな話題となった。

また、ブルームバーグは、休暇中だったテスラの最高人材責任者(CPO)、ギャビー・トレダーノ氏が職場に復帰しないと報じた。同氏も約1年前に就任したばかり。

テスラの株価は、ポッドキャストでマスクCEOの飲酒やマリファナ喫煙の映像が流れた後、1%下落。その後、モートン氏退職のニュースを受けて下げ足を速めた。

テスラはここ1カ月ほど大きく揺れている。マスクCEOは先月7日、テスラ株式の非公開化を検討中で資金を確保したと述べ、市場を動揺させた。その後、24日には非公開化計画を断念する考えを明らかにし、株価も振れる展開となっている。

アナリストの間からは、マスクCEOを支えるか、または代わりとなる共同CEOや最高執行責任者(COO)などの新たな幹部ポスト新設が必要な時に来ているとの声が聞かれた。

ノルドLBのアナリスト、フランク・シュウォープ氏は「マスク氏がなおテスラにうってつけのCEOかと、多くの人が問うだろう。おそらくマスク氏は最高マーケティング責任者に最適で、テスラには強力な新CEOが必要かもしれない」とし、「テスラの株価を巡り、疑念を感じる問題やうわさが多く存在する」と述べた。