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【日本初】国産エタノールで休耕田が再生している
2018/9/15
愛媛県に匹敵する耕作放棄地
8月某日。首都圏の熱波がうそのように、岩手県奥州市には涼やかな風が吹いていた。胆沢(いさわ)という地域にある田んぼでは、無農薬、無化学肥料で育てられた稲が力強く穂を伸ばしている。
一般人には見分けはつかないが、この稲は非食用。飼料用米として認定されている「つぶゆたか」という品種で、名前の通り粒が大きく、食用の稲よりもたくさんの収穫が期待できる。
胆沢では、発酵技術を中心とした技術開発ベンチャー、ファーメンステーション代表の酒井里奈と提携した米農家が、休耕田を活用して「つぶゆたか」を育てている。
酒井はこの休耕田で作られた飼料米を軸に、サステイナブルかつクリーンなエコシステムを築いてきた。規模はまだ小さいが、国連が2015年に掲げた「SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)」にかなう取り組みとして、国内外から注目を集めている。
酒井里奈(さかい・りな)。国際基督教大学卒業。富士銀行(現みずほ銀行)、ドイツ証券などに勤務。発酵技術に興味を持ち、32歳で東京農業大学応用生物科学部醸造科学科に入学。2009年3月に卒業し、同年、ファーメンステーション設立。
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この連載について
日本食を支える「農業」は、待ったなしの危機的状況にある。就業人口は半減、就労者の平均年齢は66.6歳に達してしまった。米・野菜・果実等の農産物は1990年の6.8兆円から、現在は5.1兆円と減少している。このような状況下、旧来のシステムの外で農業の変革に挑む7人を徹底取材した。
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