【堀江貴文】持ち家も賃貸も論外。僕はホテルに住む選択をした

2018/9/9
「新・不動産の勝ち方」特集で反響が大きかった記事「賃貸vs持ち家──私の答えを明かそう」をスピンオフさせ、3人の有識者に同じ質問を投げかける今回の企画。
初日は経済評論家・山崎元氏(60)、2回目はジャパネットたかた創業者の髙田明氏(69)に話しを聞いた。
そして、最終回の3回目は「ホリエモン」こと堀江貴文氏(45)に質問を投げかけた。
堀江貴文(ほりえ・たかふみ)SNS media&consultingファウンダー。1972年福岡県生まれ。1991年東京大学に入学(のち中退)。1996年、有限会社オン・ザ・エッヂ設立。2002年、旧ライブドアから営業権を取得。2004年、社名を株式会社ライブドアに変更し、代表取締役CEOとなる。2006年、証券取引法違反で逮捕。2011年懲役2年6カ月の実刑判決が確定。2013年3月に仮出所(同11月刑期満了)。著書に『多動力』『好きなことだけで生きていく。』など多数。
必要なのはスマホと服
──賃貸住宅に住み続けるか持ち家を買うか、今の若手ビジネスパーソンに対して、どちらを勧めますか。
堀江 僕は他人のことに興味がないので、その答えは僕には分かりません。そもそも他の人に対して意見はありませんし、その人のライフスタイルに合わせればいいと思います。
僕自身は、賃貸のマンション(六本木ヒルズレジデンス)に住むこともやめて、今はホテルとか友達の家に住んでいます。
賃貸に住むのをやめたのは、必要ないからです。「最適化」です。荷物が増えないという意味で、生活はかなり最適化されました。
──賃貸からホテル住まいに変えたきっかけはあったのですか。
堀江 やはり、(出所後の2014年に、六本木ヒルズレジデンスを管理する)森ビルから追い出されたのが一番大きいです。
そこからホテル住まいになったのですが、僕の場合、記者が待っているかもしれないし、入り口がたくさんないと困ります。ホテルであれば、いろいろな人が出入りしているので紛れられます。
別に、アパホテルでもドーミーインに泊まってもいいのですが、だいたいラグジュアリーホテルに泊まっています。その理由は、外国人の宿泊者が多く、有名人もたくさん来るので、僕にとっては「森」みたいなものだからなんですよ。
──定宿のようなホテルはあるのですか。
堀江 ん~、そんなにありません。2つか3つに決めているわけでもなく、いろいろなホテルに行っています。
(iStock/MarsYu)
──荷物はどれくらいあるのですか。
堀江 服とスマホくらいです。
──それ以外はないのですか。
堀江 それ以外に何が必要ですか。
スマホと服があれば、ほぼほぼ生活できます。洗濯もホテルのクリーニングに頼めばいいし、冷蔵庫もホテルにあります。
──毎回予約して、チェックイン、チェックアウトするのは面倒臭くないのですか。
堀江 予約はうちのスタッフがしてくれますし、荷物は最小限なので、面倒臭いということは全然ないですね。
──以前、ライブドアの社長時代に受けた雑誌の取材で、六本木ヒルズのマンションで漫画の本棚が写った写真がありました。
堀江 漫画はキンドルとかに電子書籍化して、全部処分しました。本棚も要りません。
──最小限で持っている物にこだわりはあるのですか。
堀江 こだわりはありません。服にもこだわりはないし、スーツケースもこだわる物ではないです。
(iStock/onurdongel)
シェアリングでほぼ何でもできる
──冬物の衣服はどうするのですか。
堀江 今はほら、インターネットで管理できるトランクルームみたいなサービスがあるんですよ。
でも、服はだいたいワンシーズン着て捨ててしまいます。捨てなかったとしても、トランクルームサービスが勝手にオークションに出してくれるので、ポチっとクリックしておくだけです。
──ジムに行きたい時とか、料理をしたい時はどうするのですか。
堀江 ジムはだいたいホテルのジムを使います。
料理はしますよ。うちのレストラン(WAGYUMAFIA)で料理をすることもありますし、シェアキッチンを借りる時もあります。サービスアパートメント的なキッチン付きの宿泊施設を使う時もあります。
賃貸でも持ち家でも家ですることは、シェアリングサービスでだいたいできるんですよ。
(iStock/HAKINMHAN)
例えば、軽井沢の豪華な別荘を欲しいと思っても、シェアリングで借りられるじゃないですか。
別荘の稼働率を考えると、軽井沢に別荘を持っている人でも、年間で10日もいないはずです。それくらい低い稼働率なんです。
だから、シェアリングで借りた方が絶対安くつきます。日割りで計算すると変わらないと思いますよ。
──友人の家で泊まることは頻繁にあるのですか。
堀江 遊びに行くだけです。週に何回ということではなく、時期によってそういう時もあるということです。
日本だけではなく外国もそうですが、同じところに1週間い続けることも少なくなっています。いてもせいぜい数日です。
そもそも、東京には一月3分の1しかいない時もあります。地方もあれば海外もあって、いろいろなところにいます。
(iStock/visualspace)
仕事はほとんどがスマホ
──ホテルに住むと、月々数百万円はかかりますよね。
堀江 結局、僕がマンションに住むと、それくらいの家賃はかかってきます。
──働く場所は決めていないんですか。
堀江 僕は、スマホでほとんど仕事をしているので、「働く」という定義もよく分かりません。
今回のように実際に対面してインタビューすることもほとんどありませんし、スカイプもあれば、最近は、記者のITリテラシー次第ですが、LINEでインタビューを受けることもあります。
──不動産投資にも興味がないのですか。
堀江 ないですね。なんで興味がある人がいるのかも分かりません。
儲けたいのであれば、ベンチャー企業に投資した方が儲かります。勝つ確率も高いです。
──不動産をポートフォリオに入れる選択肢はないのですか。
堀江 それもないです。僕はベンチャー投資への確度が高いので、それは必要ありません。自分で事業を作る方が速いし、効率がいいです。
──いま低金利でお金を借りやすい状態で、「持ち家を買う」という選択肢はないのですか。
堀江 そもそもそういう発想がないです。「低金利の中で」という前提も考えていません。
僕には、なぜそれが選択肢にあるのかが理解できないです。なぜそういう選択肢があるのか、と考えています。
なぜその選択肢があるんですか。「みんながそうしてきたから」という惰性ですか。僕は「みんながそうしてきた」ということを考えません。だから、持ち家という選択肢は考えたこともありません。
(iStock/Easyturn)
「ホーム」の感覚がない
──六本木ヒルズに住んでいた頃と比べて、ホテル暮らしの幸福感はどうですか。
堀江 大きくは変わりません。賃貸に住んでもいいという意味ではなく、契約するのがとにかく面倒臭いだけですね。
──1つの拠点で物を増やしていくという生活は考えないんですね。
堀江 はい。だって、それって飽きませんか。
契約とか面倒臭いし、引っ越しも面倒臭いですし。最近は隣近所もうるさいし、いいことは何一つありません。
──「多拠点居住」という言葉もありますが、まさにそういう生活ですね。
堀江 そもそも「拠点」を持っていない感覚です。単純にホームポジションがないんです。
──どこでもホームだと思っているということですか。
堀江 そういう感覚がないんです。これからもホームポジションを取る必要はないです。
──普通の人には真似はできないかもしれませんが、常識を疑うことや合理的に生きることには学ぶことがありそうです。
堀江 なかなか理解はできないかもしれませんけど…。
(持ち家か賃貸かは)いろいろ意見はあるとは思いますし、それぞれの感覚もあると思います。「僕はこうしていますよ」という話しかできません。そういうことなんですよ。
(聞き手・執筆:谷口 健、デザイン:砂田優花、写真:遠藤素子)