【山崎元】私は賃貸派。不動産という「地位財」競争から降りよう

2018/9/7
賃貸住宅に住み続けるか、いつか持ち家を買うか──。誰もが考える「住まい」に関する議論は、永遠に結論が出ないテーマだ。
この神学論争について、2018年7月30日から8月5日まで掲載した「新・不動産の勝ち方」特集で、星野リゾートの星野佳路代表(58)に〝答え〟を聞いた。
星野代表は、地方で安く家を買って週末はそこで自由に過ごし、週日は都会の職場の近くに賃貸住宅を借りて、自転車で通勤するのもいいのでは、と提言した。
この記事に多くの読者から反響が寄せられたことから、NewsPicks編集部は、他の有識者にも「賃貸vs持ち家論争」について聞くことにした。
初日は経済評論家の山崎元氏(60)、2回目はジャパネットたかた創業者の高田明氏(69)、3回目は「ホリエモン」こと堀江貴文氏(45)に話しを聞く。
第1回目の今回は、山崎元氏が持論を展開する。
山崎 元(やまざき・はじめ)経済評論家。楽天証券経済研究所客員研究員。マイベンチマーク代表取締役。1958年北海道生まれ。1981年、東京大学経済学部卒業、三菱商事に入社後、金融関係の会社に12回の転職を経て現職。近著に『人生を自由に生きたい人はこれだけ知っていればいい お金で損しないシンプルな真実』(朝日新聞出版)
──ずばり、今の若手ビジネスパーソンに対して、賃貸住宅に住み続けるか、持ち家を買うべきか、どちらを勧めますか。
山崎 私は、どちらかというと賃貸住宅に住むことを勧めます。賃貸派です。
20代、30代は、仕事上の変化で生活が大きく変わる傾向にあります。
私もそうした生活でした。高校まで出身の北海道で過ごし、大学時代から東京に住んでいます。東京に出てからは、十数回引っ越しています。
──転職の都合があったのでしょうか。
山崎 転職はこれまで12回していますが、転職が理由で引っ越すこともありました。
私が賃貸を勧める理由は、まず、会社の近くに住む「職住近接」の方が効率がいいからです。
例えば、こう計算してみましょう。