欧州は独自の世界的決済サービス構築すべき:欧州中央銀行
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注目のコメント
カード決済情報はビッグデータの一つとして大いに魅力的なものではありますが、「地政学的緊張の一段の高まりに備える必要」となると、もっと大きなところで欧州と緊張が高まりつつある米国の動きを意識したものか・・・ もしそうならば、次には「欧州各国の決済を米ドルに頼っている現状は最善とは言えない」として米ドルの基軸通貨としての役割に地政学的リスクを感じないとも限らない。折しも世界の準備通貨として人民元のウェイトが高まっているとの報道も出ているし、米国が主導した世界の秩序の乱れをこんなところにも何となく感じてしまうのは、私の妄想が過ぎるのか (^^;
自国圏以外に決済サービスを持っていかれることはマネー量のコントロールはもちろんデータを持っていかれることに懸念を示しているのでしょうか。ECB関係者がそれについて言及するのが興味深いです。EUが不思議なのは、各国で利害が対立しそうな規格(自動車、資本市場、金融、データ管理)で足並み揃えるのが早いこと。EUならやってのけそうな気も。
辛坊さんがコメントされているように、地政学リスクのシナリオをどこに置いているのか定かではないので、なかなか判断は難しい当局者のコメントだと思いました。仮に、欧州vs米国を強く念頭においているのであれば、論としては納得できますが、そのシナリオ想定自体、当局者の考えとしては、恐ろしいものを感じます。
一方で、決済情報を通じたビックデータ云々の以前の問題として、決済は、水や電気などと並ぶような基本的なインフラの一つです。したがって、今回の発言は、重要インフラを自前で提供できない、ということへのシンプルな懸念を表明しているように思いました。例えば、日本でも中央防災会議という首相をトップに据える災害対策のための国の仕組みでは、日銀総裁がメンバーに連なり、重要インフラを担う機関の代表として認識されています。
いずれにせよ、技術の発展によって利便性は高まっていますが、サイバーセキュリティの問題も含め、国家がインフラをどのように守るか、ということについて、あらたな課題に直面していることは間違いありません。