【新】借金14億円。倒産寸前のメガネチェーンを蘇らせた男

2018/9/3
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第153回(全5回)は、メガネチェーン「OWNDAYS(オンデーズ)」社長の田中修治氏が登場する。
田中氏は2008年、債務超過に陥り倒産寸前だったOWNDAYSを、周囲の反対を押し切って個人で買収し、社長に就任した。そして数え切れないほどの危機を乗り越え、銀行からの借入金14億円を7年間で返済、見事に会社を再生させた。
その再生物語をもとにしたエンターテインメントビジネス小説『破天荒フェニックス』が、NewsPicks Bookの最新刊として、9月5日に発売される。
OWNDAYS再建にあたり、どのような危機があって、それをどう乗り越えてきたか。破綻しかけた会社で従業員の心をつかむ方法とは。
淡々と語る田中氏だが、その言葉の端々から、再建の中でくぐり抜けてきた壮絶な経験が垣間見えるだろう。

会社再生がモデルのビジネス小説

──田中さんが2008年にメガネチェーン「OWNDAYS」を買収してからこれまでの軌跡をつづった『破天荒フェニックス』が刊行されます。
田中 OWNDAYSは当時、全国に低価格メガネのチェーン店を60店舗ほど展開している会社でした。
しかし創業者の乱雑な経営が原因で債務超過に陥り、再建に乗り出したコンサルティング会社も有効な手立てを打てず、決算書を見たら、その全員が「絶対に倒産する」と断言するような状況でした。
そんなOWNDAYSと、とある縁で関わっていた僕は2008年、再生への希望を見出して個人で第三者割当増資を引き受ける形で買収し、代表取締役に就任することにしました。