【直言】銀行員は、これからどう生きるのか?

2018/8/26
夏は過去を振り返る季節である。甚大な人的犠牲とともに、1945年8月15日に敗戦を迎えて以後、日本は大混乱の敗戦処理から戦後復興へと向かった。
そして、高度経済成長期に突入したが、その最終局面にはバブル経済が発生し、その崩壊とともに成長神話も崩れた。以後、経済は低成長が定着した。
銀行業はそれぞれの局面において役割を担ってきたが、なんといっても黄金期は、企業が成長のために資金不足に直面していた、高度経済成長期だろう。
企業経営者との宴席などで、「支店長は床の間を背負って座る」と言われた時代である。
銀行は企業に資金配分するために、預金の吸収に全力投球した。
そして、規制金利下で利ザヤが一定に保たれていたこともあって、「量の極大化=利益の極大化」という一次方程式の経営と、それに基づく営業戦略の下で、銀行員のキャリアパスが構築された。
2年ほどのサイクルで転勤を繰り返して、次第に職階を昇り詰めていくというパターンである。
2年サイクルで転勤を繰り返し、職階を上り詰めていくパターンは、もはや成立しなくなる(写真:Bloomberg / GettyImages)