[ロンドン 16日 ロイター] - 国際金融協会(IIF)が16日公表したリポートで、投資家が過去1週間に新興国から14億ドルの資金を引き揚げたことが分かった。トルコや中国を巡る懸念が影響した。

新興国の株式からの流出額は13億ドル、債券からの流出額は1億ドルとなった。

8月9日からの1週間は、世界的な貿易戦争やドル高、資金調達コストやエネルギー価格の上昇を巡る懸念に加え、トルコ情勢を巡る不安を背景に、新興国資産への売りが加速した。

国別では南アフリカと中国からの引き揚げが目立ち、流出額はそれぞれ6億ドルと5億ドルとなった。

インドが流出超に転じたほか、マレーシア、インドネシア、韓国、フィリピン、ベトナムからも資金が流出した。

IIFは「米国とトルコの間で緊張が高まる中、新興国資産への投資意欲が明らかに圧迫された」と分析した。

また、南アについて、多額の経常赤字の穴埋めを債券や株式への資金流入に依存しているため、影響が大きくなったと指摘。

「市場への圧迫の影響は対外債務依存が比較的高い国で最も顕著になる」との見方を示した。

調査対象国の中で流入超となったのはタイ、カタール、ブラジルのみだった。