シンガポールに見る「未来の農業」、食糧危機を乗り切るハイテク化の最前線
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シンガポールは、確かにアジアの知識・技術集積拠点COE (Center of Excellence) を標榜するとおり、あらゆる分野で科学技術立国を目指した取り組みを進めていますが、この記事の内容はファンド支援や垂直農法、人工光栽培など、かなりベタでチマチマした感じのものばかりのような気がします。
また、何人か見抜かれていますが、フードセキュリティという文脈からするとカロリーベース自給率の多くを占める穀類をどうするかが問題ですので、葉物の取り組みを紹介してもマッチしないと思います。
むしろシンガポールらしさで言うと、バイオテクノロジーで多収性の作物を開発するなど、最上流を押さえるところから入るのが、らしいのではないでしょうか。
過去Pickを振り返ると、昨年5月に同じような記事がありましたね。
シンガポール政府、植物工場などハイテク農業を推進。農地リースも20年へ延長
https://newspicks.com/news/2240393?ref=user_2342268スマートな農業が進むと、各地でのコロニー化も進んで行くのでしょう。ただ、コロニー化するのであれば、「どの時期に何をどの位生産する」という計画が重要です。技術的に出来るものから作るではフードセキュリティにはあたりません。
この辺りのデータ基盤がどの程度シンガポールでは整備されているのかが興味深いですね。九州もワクワクする取り組み仕掛けていきます。食糧危機という課題に対して、電力を使った軟弱葉物の栽培というのはどうもピンと来ませんし、最後に触れている自給率10%を20%というのが生産額なのか日本と同様カロリーベースなのかよくわからないのですが、カロリー供給は葉物野菜ではほとんどできません。
シンガポールのような国はいずれにせよ単体では食の安全保障を確保できないのが明らかなわけですから、近隣諸国の穀物生産、畜産に投資をして生産性を上げ強固な関係性を築くことがまずは重要で、植物栽培工場はあくまでもおまけ程度の話ではないでしょうか。
またフードロスの解消は農業という産業にとっては売上減にしか繋がらない取り組みなので、どちらかといえば農業界の弱体化に影響してしまうように思います。
その辺は不都合な真実ですね。
ただ、ニューヨークにせよ上海にせよ垂直農業に都心部で注力するという話題は確実に増えてきており、シンガポールも国を挙げて用地確保までしたということであればそれなりに投資価値があると見込んでのことなのでしょう。