[北京 15日 ロイター] - 中国国家発展改革委員会(発改委)は15日、今年下半期の経済成長を合理的な範囲に維持し、通年の成長目標の達成を確実にすると表明した。発改委の叢亮報道官は、米国との貿易摩擦が中国経済に悪影響をもたらすだろうとしつつ、年間成長目標を確実に達成すると述べた。

中国は今年の経済成長率目標を6.5%前後としている。第2・四半期の国内総生産(GDP)伸び率は6.7%と第1・四半期の6.8%から減速した。

中国では金融システムのリスク抑制措置によって借り入れコストが上昇し中小企業が圧迫されており、景気減速が鮮明になりつつある。資金調達が困難な企業を支援するために当局は流動性の供給を拡大し、銀行に貸し出しを増やすよう促している。また財政政策も成長重視にかじを切った。

同報道官は、1─7月の公式データによると、これまでのところ貿易摩擦の中国経済への影響は限定的で、関税引き上げの影響も「制御可能」と述べた。

貸し出しを促進する取り組みにより再び資金が不動産市場に流入するとの懸念が高まっているが、同報道官は不動産価格を「断固として抑制する」と強調した。

中国政府が経済支援に向け新たな刺激策を導入する一方で、発改委は債務水準を抑制していく方針を示した。

叢報道官は、道路、鉄道、高齢者向けケア、教育への新たな支出はこれまでの規模に比べて縮小するとし、実需を満たすことを目指し、過剰能力のリスクを抑えると述べた。

同報道官は、政府の債務負担を低下させるため、当局はこうしたプロジェクトへの民間投資を呼び込みたい考えだと述べた。地方政府によるプロジェクト資金調達目的の特別債発行を巡り、当局が規制を緩和しているとした。

アナリストらは年間成長目標の達成には支出の拡大が必要だとみているものの、同報道官は、政府が秩序ある方法で徐々に「構造的なデレバレッジ(債務圧縮)」を進めていくとの方針を維持した。

同報道官は「貿易摩擦激化の影響への対応能力はまだ十分にあり、年初に設定した経済・社会発展の目標を確実に達成する」と述べた。

14日に発表された一連の経済指標が弱い内容となったことを受け、一部エコノミストは中国の下半期と通年の成長率予想を下方修正している。

INGは2018年の中国成長率予想を従来の6.7%から6.6%に引き下げる一方、ハードランディングは見込んでいないと強調。第3・四半期と第4・四半期の成長率は、米関税の影響を背景に、それぞれ6.5%と6.3%に鈍化するとの見通しを示した。

*内容を追加しました。

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