打倒シリコンバレー。南京がイノベーションの中心地になる日

2018/8/17

国家が縮める米中技術格差

上海から300キロ内陸部に位置する街、南京。

ここで中国の次世代を担うスタートアップを育てる特区の整備が進んでいる。216平方キロの敷地には、数十の大手企業と多くのスタートアップが拠点を置く。長江を挟んだ向こう岸には、さらに多くの企業を誘致するための拡張工事が進んでいる。

南京は、シリコンバレーに対抗する中国の試みの最前線に立っている。6月のある晴れた日の朝、南京経済技術開発区のB棟で、あるスタートアップの入居を祝福するイベントが開かれた。

コメント

注目のコメント

• 陳 言

  日本企業（中国）研究院 執行院長

  ・2018年08月17日

  南京は確かにここ十数年中国経済の中では失われている。
  南京大学以外に大した大学もなく、南京大学自体も40年前と違って中国ではベスト3から脱落している。
  古い都市でワケの分からないプライドがあり、イノベーションなんかあまりやる気がない。
  その都市から打倒シリコンバレーになるだろうか。
  いままで中国でもどんどん優位性を失っているのに、ちょっと地方政府の補助金を出したら一躍してイノベーションの中心地になる、そう簡単ではないだろう。
  ちなみに私は大学時代が南京で過ごし、今も南京を支援したいと思っている。ぜひ今度、南京に変貌してもらいたい。
• 横田 孝

  The Japan Times 共同編集局長/Co-Managing Editor

  ・2018年08月17日

  複数の中国の都市がテクノロジー・ハブとなりつつあり、シリコンバレーを追い上げています。記事にもありますが、政府と企業が一体となって産業を推進するのは、欧米社会にとってなかなか理解しにくいものでしょう（かつてアメリカは同様の理由で日本も批判しました）。
  有機的に成長を遂げたシリコンバレーに対して、国家・地方政府の絶大なバックアップを受けて驚異的な成長を遂げる南京を含めた中国のテックシティですが、一方で膨大な地方債務を抱えるなか、このモデルはどこまでサステナブルか。
• 八田 浩

  株式会社ロケットスター 取締役　共同創業者

  ・2018年08月17日

  "アメリカでは、歩行者を巻き込む死亡事故が起きると、州政府が試験運転を中止させる。だが、中国のような一党独裁体制では、スタートアップは政府の支援を受け続けて、フルスピードで前進を続けることができる。"
  民主主義vs一党独裁という体制における最大の違いがここにあります。独裁の元では最も最短距離と思える道を取れます。チャーチルの言葉を借りれば「民主制は最悪だが史上最もマシな政治制度」ですが、もし経済で圧倒された時、同じことが言えるのでしょうか。