【新】鍵は圧倒的個性。なにわ経営者、5人の熱きビジネス論

2018/8/13
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第151回(全10回)は、大阪を拠点に特徴あるビジネスを展開する5人の経営者が登場する。
今年5月、本連載では躍進する大阪のベンチャー企業の社長たちにスポットをあてた。大阪の躍進企業には、ITに特化しない業種が多いことや、「泥臭さ」を恥じることなく発揮するなど、大阪ならではの地域性が好評を博した。
そこで今回は、ユニークな大阪発ビジネスをさらに掘り起こす。
今回登場する大阪で今、注目されるイノベーター5人は、起業家もいれば、親の代から続く会社を生まれ変わらせた経営者もいて、境遇はさまざまだ。
しかし彼らに共通するのは、他者(他社)がしないことに取り組み、ビジネスを“進化”させていることだ。彼ら5人の個性的で壮絶なビジネスストーリーを、2週にわたってお送りする。
1、2話は天創堂社長、粕井健次氏が登場する。天創堂の事業内容は、大阪・通天閣の守り神「ビリケンさん」や、大阪マラソンのライセンス管理を行うというユニークなもの。
ベンチャー企業がビッグネームのライセンスを扱えるようになったのは、粕井氏の粘りと、ビジネスを切り開く力があったことは言うまでもない。しかしそれを後押ししたのは、ほかならぬビリケンさんだった。

商材が不思議な会社

──大変失礼ながら、今どき「お土産屋さん」の業務で、業績を上げていると聞きました。
粕井 天創堂の事業は、大きく分けて2つあります。1つはライセンス事業で、大阪名物の「ビリケンさん」や、大阪マラソン、神戸マラソン、京都マラソンなどのライセンス管理・運営、グッズ販売などを行っています。
もう1つは卸事業で、全国各地のご当地商品を発掘・取りまとめて、インバウンド向けの小売店に卸しています。