3Dプリンター銃の拡散をもくろむ、「世界で最も危険な男」の思想

2018/8/7

表現と銃所持の自由

コーディー・ウィルソン(30)は、長らくこの時を待っていた。
銃所持の権利と表現の自由の擁護者を自称するウィルソンは、5年以上にわたりダウンロード可能な銃の製造方法をネットに公開しようとしてきたが、連邦政府から繰り返し妨げられてきた。
8月1日の夕方までは、ウィルソンの望みがついにかなうと思われた。しかし、3Dプリンターで作る「リベレーター」、つまり第2次世界大戦で連合軍がレジスタンスに配布した単発銃の製造法が公開される予定の数時間前に、連邦地方裁判所がウィルソンと彼が創設したディフェンス・ディストリビューテッドに対し、公開を一時差し止める命令を出した。
ウィルソンはその前、テキサス州オースティンにあるディフェンス・ディストリビューテッドの応接室で記者からの電話に対応し、テレビのインタビューをこなしていた。祝う準備は整っていた。