日銀新体制の課題:2つの「出口」を巡って : 富士通総研
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注目のコメント
第1期黒田日銀について
https://www.huffingtonpost.jp/makoto-shimizu/japan-bank-mrkuroda_a_23411540/
「常識的には長期金利目標の調整(注10)が先行すると考えられ、これが「第1の出口」」「本格的な「出口」(後述の「第2の出口」に対応)とは別物」
「財政の持続可能性が疑われる中で日銀が国債の買入れをストップすれば、国債価格の暴落は必至だからだ(逆に日銀が国債買支えを続ければ円安とインフレのスパイラルに行き着く)」
私はそのようなことが起こりそうなこととは考えていません。
「日本の労働市場は単純な自然失業率仮説では記述できず、正規と非正規の市場分断をはっきり考慮し、正社員の賃金が上がらない理由を正面から考える必要がある」
このようなフィリップスカーブでは説明できない現実は、日本経済だけの問題ではなく、マクロ経済学の課題になっているように思います。
「仮に2%目標が達成される前に景気後退を迎えても日銀にできることは極めて限られている」「マイナス金利まで導入した日銀にはそれが精一杯だろう」
そんなことはありません。たった0.1%のマイナス金利とマイナス5%では効果は違うはずです。マイナス金利深掘りを食わず嫌いする理由はありません。
「何より2%の物価目標を掲げた最大の理由が(平時の金利水準を上げることで)いざという時の金融政策の対応余地を作り出すためだった」
当初の日銀はこのようなのりしろ論とは異なる考えでした。のりしろ論はゼロ金利より政策金利が下げられないという思い込みからくるものでしょう。
「ここ数年の経験が示すのは、輸出数量に影響を及ぼすのは為替ではなく、製造業のグローバルPMIなどが表す海外景気」
このことは最近の学術研究と整合的です。
追記:北畑さん、リクエスト頂き恐縮です。雇用については
https://www.huffingtonpost.jp/makoto-shimizu/employment-index_b_14836822.html
https://www.huffingtonpost.jp/makoto-shimizu/annual-report_a_23186980/
で書きました。雇用はなかなか難しい問題であることには間違いありません。