[東京 31日 ロイター] - 経済産業省が31日発表した6月鉱工業生産指数速報は前月比2.1%低下の102.2となった。2カ月連続の低下。ロイターの事前予測調査では前月比0.4%低下と予想されていたが、発表数値は予測を下回った。半導体製造装置などはん用機械などの減産のほか、輸送機械も自動車の出荷が伸び悩んだことが足を引っ張った。
出荷は前月比0.2%低下、こちらも2カ月連続の低下。前年比では生産・出荷ともに減少となった。民間調査機関からは「生産は事前予想を大きく下振れるなど、弱い内容だった。世界経済は緩やかな成長が継続しているとされているものの、日本からの輸出はさほど伸びているわけでもなく、牽引力が乏しい」(農林中金総研)との指摘がある。
6月の生産を下押ししたのは主に汎用・生産用・業務用機械。前月比3.9%減。半導体製造装置やコンベヤなどが減産、経済産業省では「上昇計画だっただけに想定外の減産となった」とみている。中国向けの輸出のキャンセルや、部品不足に伴う生産延期などがあったとみられる
また自動車も、計画比で下振れ前月比0.2%の微増。軽自動車とトラックなどが足を引っ張ったほか、米国向け普通乗用車も伸び悩んだようだ。
もっとも、生産は4─6月を通してみると前期比1.2%の上昇。2四半期ぶりに増産となった。出荷も同1.8%上昇。在庫は積み上がり気味だったが、同1.8%低下した。基調としてはそれほど悪くはなさそうだ。
生産予測指数は7月は前月比2.7%上昇となったが、豪雨の影響や貿易摩擦に伴い企業の慎重姿勢が広がる可能性もある。経済産業省が誤差などを調整した試算では、前月比0.2%程度の微増にとどまる見込み。8月は反動増もあり、同3.8%の上昇の見通しとなった。
経済産業省は生産の基調判断を「緩やかに持ち直している」として据え置いた。その上で「6月はもともと生産の勢いが落ちてきていたため減産を予測していたが、それをさらに下回る結果となった。7月も堅調な反動増はみられない」(同省幹部)とみている。
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(中川泉 編集: )