【星野佳路】「賃貸vs持ち家」論争。私の答えを明かそう

2018/8/1
賃貸に住み続けるか、家を買うか──。
誰もが考える「住」に関する議論は、永遠に1つの答えが出ないテーマだ。
この神学論争について、ビジネスの最前線を行く人はどのような持論を持っているのか。星野リゾートの星野佳路代表(58)に、その答えを聞いた。
星野リゾートは、ホテルや旅館の運営に特化したビジネスモデルで、基本的に自社でホテルや旅館を所有しない。
ビジネスでは「持たない」星野代表が、「賃貸vs持ち家」論争について語った。
星野佳路(ほしの・よしはる)/1960年、長野県軽井沢町生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、米コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。1991年、父の跡を継ぎ、4代目「星野温泉(現・星野リゾート)」の社長に就任。(撮影:加藤昌人)

キーワードは「自由」

──率直に聞きますが、今の若いビジネスパーソンに対して、星野代表は「賃貸」と「持ち家」どちらのライフスタイルを勧めますか。
私は「家を持つ」ことには肯定的です。所有するということは、自由になるということだと思っています。
自分のものであれば、色を変えたり、デザインを変えたり、場合によっては一部を改造したり、とにかく自由にいじれますよね。
その一方で、人様から借りているものは、自分で自由にはできません。だから、「持ち家の方が自由にできて楽しい」というのが私の意見です。
ただ、大きなリスクを闇雲に背負ってまで「家を持つこと」を推奨しているわけでもありません。
特に、都内は今、物件価格がすごく高くなっていますよね。東京はとにかく高いので、家を買うのは現実的ではありません。