先端塗料が安藤忠雄の打ち放しを守る
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注目のコメント
Katoさん、ご指名ありがとうございます。
コンクリートという材料を打ち放しにすることは、ものすごく難しいです。
私は結局、この記事の1ページ目の導入と最後のページの安藤氏の言葉が全てだと思います。
「完成後約30年が経過しても、建て主の丁寧な維持管理によって新築同然の美観を保っている。」
「丁寧に打設すれば、補修の必要のない美しいコンクリートが完成する。だからこそ、施工段階の配合や品質が重要になるのです。(安藤氏)」
つまり、丁寧な施工と維持管理によってコンクリートを育て、つきあっていくということですね。
コンクリートの劣化の多くは、表面から始まります。
ちょうど昨日以下の記事でコメントしたのですが、表面からの劣化因子の侵入がコンクリートの寿命を左右します。
https://newspicks.com/news/3197139
同時に、コンクリートの異常の多くも、表面に見られます。
それは、締固めが足りないコンクリートでみられる「ジャンカ」という穴ぼこだったり、打ち継ぎ部分が不連続になってしまう「コールドジョイント」だったり、水分を失うことによる「乾燥収縮ひび割れ」だったり、さまざまです。
これらを防ぐひとつの方法は、安藤氏が言っておられるように「スランプ値をできるだけ小さくする」ことです。
スランプとはコンクリートのやわらかさの指標ですが、これは水分量と表裏一体の関係にあります。
やわらかく扱いやすいコンクリートは施工が容易ですが、できあがった後の緻密さに欠けてしまいます。
硬く耐久性に優れる代わりに、管理の難しいコンクリートの表面を密実に仕上げるというのは、施工の技です。
つくった後のコンクリートを労る維持管理も大事です。
コンクリートとは本来、ひび割れる材料です。
だからこそ仕上げ肌の美観を保つためには特別な注意が必要であり、打ち放しという選択はコンクリート本来の特性に対する挑戦でもあります。
(これは耐久性に加えて断熱性の問題も大きいのですが、ここでは割愛)
だから私は、コンクリートを打ち放しにするという選択は奨励はできませんが、最大級のリスペクトを払いたいと考えています。
多湿かつ気候変動が大きいこの国でコンクリートの表面を剥き出しにするためには、他の材料のサポートが欠かせません。
その辺りはMitsuさん、お任せしますね(笑)完全に出遅れました。
素材に詳しい方がいらっしゃると、その分野のコメントが楽しいですね。
私もコンクリート打放しの建物を設計した事があります。
https://www.c-e-architect.com/blank-c18q4
施工は、コンクリート打設に自信を持っている地域ゼネコン(三上さんおっしゃるように、こういう施工者じゃないと頼めません)。
コンクリート作業のしやすさをワーカビリティといい、流動性や材料分離への抵抗性を合わせた作業性を示しています。
単純に単位水量を増やすと、安田さんおっしゃる通り流動性は高まりますが、強度等に影響が出る可能性があります。
実際は外気温や減水材等も影響するのですが、専門的になるので割愛。
ちなみに上記の建築、なかなか良い躯体ができたと思っており、施工業者には感謝しています。
そして、外壁にはMitsuさんのコメントにある、フッ素樹脂クリアに少し乳白色を入れて、コートしています。
実は、屋根もアスファルト防水ではなく、塗布防水(写真にパラペットが無いのがお分りいただけるでしょうか)。
少し怖さもあったのですが、施工業者の実績と自信、実際に他の現場を見て、コストの問題もあり採用しました。
安藤忠雄さんほどの実績はありませんが「丁寧に打設すれば、補修の必要のない美しいコンクリートが完成する。だからこそ、施工段階の配合や品質が重要になるのです。(安藤氏)」には同感です。<追記>皆様のコメントにサンクスです!こういうコメント欄が生まれる瞬間に、コミュニティの皆様に本当に恵まれていることをとても感じます~
<追記終>
塗料とコンクリのマリアージュ記事。というわけで、コメント欄的にはMitsuさんと安田さんの共演にも期待が高まる記事!
建築系ということで、江頭さんやYoshidaさんも!?
4ページの過去の補修の履歴が興味深い。どんどん最先端のものを使っている。
そして、それはそもそもの塗料の歴史を振り返れば「保護」という重要機能の進化でもある(是非下記のMitsuさんの記事も併せて)。
https://newspicks.com/news/3107970