なぜ、IPOがスタートアップの成長にブレーキを掛けるのか

2018/8/1
「日本企業を蝕む『PL脳』という病」第3回からは、2017年に朝倉祐介氏とともにシニフィアン株式会社を立ち上げた元ゴールドマン・サックスの村上誠典氏と、元ディー・エヌ・エー取締役の小林賢治氏が登場。朝倉氏が上梓した『ファイナンス思考──日本企業を蝕む病と、再生の戦略論』の構想をともに練った3人が、日本に蔓延するPL脳という病の実態と、その処方箋である「ファイナンス思考」を身につける意義について語り合った──。

IPO後に直面する課題とは

──今回、3人で日本再生の戦略論として、「ファイナンス思考」を構想した理由とは?
朝倉 我々3人は昨年、シニフィアンを立ち上げたのですが、村上は元々ゴールドマン・サックスのバンカー、小林はディー・エヌ・エーで事業からコーポレート部門を統括しており、私はミクシィでCEOという立場で経営を担いました。
こうした3人の経験をもとに、知識に留まってしまいがちな「ファイナンス」を現場の実務に結びついた“考え方”として発信できないかと考えたのです。