【直答】遺伝子組換えの「悪役」、すべての誤解に答えよう

2018/7/27
遺伝子組換え作物といえば、この企業を思い浮かべる人は少なくないだろう。
米モンサント、世界最大の種子メーカーだ。
1980年代に、すべての雑草を枯れさせる強力な除草剤「ラウンドアップ」を開発する一方、その除草剤に耐性を持つ「遺伝子組み換え大豆」を投入した経緯から、世界で批判が巻き起こった。
だが、そのモンサントも2016年に、独バイエルによる買収が決まり、まもなく買収が完了する。117年続いたモンサントの名前も消える見込みだ。
遺伝子組換え作物の「悪役」イメージを脱却を目指すモンサントは、次に何をめざすのか。日本モンサント取締役社長の中井秀一氏に狙いを聞いた。
中井 秀一 (なかい・しゅういち) /日本モンサント取締役社長。1975年6月24日生まれ。2001年 3月 神戸大学大学院 自然科学研究科 生物環境制御学 博士前期課程修了、2016年 3月 筑波大学大学院 生命環境科学研究科 生物圏資源科学専攻 博 士後期課程修了。2001年 日本モンサント株式会社 バイオ規制・環境部 入社。2011年同部署の部長に就任。2017年 日本モンサント株式会社 取締役社長に就任。

「育種」とは何だか知っていますか?

──モンサントには遺伝子組み換えの企業という悪名の高いイメージがありました。次の革命的テクノロジー「ゲノム編集」でも注目されています。
確かに、遺伝子組み換えで、消費者団体からの評判が良くないのは事実です。ただ、遺伝子組み換えがダメだったから、ゲノム編集をやる話ではないですよ。逆にゲノム編集をやるから、遺伝子組み換えをやめるというわけでもないです。
そもそも私たちは、遺伝子組み換えだけをやっているわけではなく、従来の品種改良もやっていますし、それ以外にも色々やっているんですよ。
──ただ、遺伝子組み換えのイメージは強烈すぎますよね。
そうだと思います。