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IMFは、先日公表した経済見通しに続き、貿易摩擦の影響の試算値を公表しました(このブログがわかりやすいです①)。リーマンショックのときは、日本は、金融機関の痛みが小さかったにもかかわらず、GDPへのインパクトは米国や欧州よりも大きいという厳しい経験をしました。今回の貿易戦争によっても、日本が相対的にダメージが大きくなるのではないかと懸念します。実際に試算値をみても、マイナス効果が他国と比較して長引いているため、累積効果が大きくみえます(試算値は、②の最終ページ)

①Shifting Tides: Policy Challenges and Opportunities for the G-20
http://bit.ly/2JApvCS
②G-20 SURVEILLANCE NOTE
http://bit.ly/2LohqpG
日本への影響が最も深刻といえます。米国は0.8%押し下げられるとはいえ、もともとの成長率が2〜3%。0.6%押し下げられる日本は1%前半の成長率なので、貿易戦争によって成長率が半減することになります。
リーマンショックで日本のGDPは6%減りましたから、その10分の1程度の影響になりますね。いかにリーマンショックが凄かったかが逆にわかります。
問題は「貿易戦争だけで」この押し下げ効果ということでしょう。元より欧米の景気循環が歴史的長期間に亘っておりショックに脆弱になっているところへこの押し下げ効果が加わるわけです。さらに言えば米国は7回分の利上げが累積的に効いてくるわけで、体感としてはこの試算以上の影響が貿易戦争にはあると感じられるように思います。
Amanoさんがコメントされている金融危機の際の日本の輸出減について。
輸出構成比の割にGDPの減少が大きかった要因として一般論として大きく2つ要因がある(①)。まず日本の輸出財は資本財や耐久消費財など金額が大きく景況感が悪い時に減少する財の構成比が大きかったこと。もう一つは部品の国内内製率が高くそれが輸出が下がると併せて下がった(加工貿易なら併せて輸入も下がり、国内の付加価値的には相対的に影響が少ない)。
当時に比べたら、記事に出ている自動車産業についても、現地生産が進んだ(②)。とはいえ、影響は少なくないだろう。

https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/14j053.pdf
https://newspicks.com/news/3049053
トランプが中国に仕掛けた貿易戦争は、日本の自動車に波及する恐れがあり、欧州委員会のGoogleへの5700億円への制裁など米欧デジタル戦争、米国の利上げ、欧州の経済危機再燃の懸念、それらと同時に起きている。気になるのは、世界の半導体需要の6割を飲み込む中国が米国と半導体戦争に向かう可能性。グローバル経済は、インターディペンダントの世界を作ったから、この構造に貿易戦争がどれほどのカタストロフを起こしてしまうのか、各国指導者は冷静にならないといけない。外務省出身で上海総領事なども務めた東京大学の小原雅博教授は、下記のインタビューで、「日本企業の拠点の4割は中国にある。米国に行くか中国に着くかの二者択一ではなく、日本の地政学的な位置づけなどを考慮したうえで日中協商が必要だ」と指摘しています。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/16/062100026/070500005/?n_cid=nbpnbo_fbbn
Amanoさんがリンクして下さっている原典をみると、全世界でショックが大きくなるのは、米中の制裁合戦、車の関税に加え、コンフィデンスへのショックが加わった時ですね。車までだと、ユーロ圏にはプラスの効果、日本も初期はプラスの効果です。これだけだと、さすがにIMFとしても発表できなかったでしょうね。

それでも、この試算をみると、米中の貿易戦争に限定される限りにおいては、コンフィデンスが傷つかない限り、当事国(+アジア新興国?)以外は、それほど痛まないという結果になります。

実際には、もっとも計算し難いのはコンフィデンスを通じた影響ですし、そもそもの各国経済・世界経済のファンダメンタルズがどちらの方向にあるのかも重要になってきます。コンフィデンスショックについては、テーパー・タントラムの半分程度を見込んでいるとのことであり、とくに新興国に関しては、いかに関税以外の部分での影響が大きいかがうかがわれます。