【トレンド解説】コンビニに未来を握られる「菓子業界」の苦悩
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注目のコメント
コンビニ業界についての泉記者の記事ならばコメントしないわけにはいきません。
フランチャィズ企業やチェーン量販店によって「産業化」が進み、手軽に美味しいスイーツが市井に生きる人々に行き渡る過程では、中小企業の淘汰は不可避です。
先日話題になった実験段階のビールのちょい飲みとかコンビニコーヒーの恩恵は、そうした整理淘汰の産物です。
問題があるとすれば、そうした「産業化」の結果として社会全体で雇用減少、イノベーションの停滞、デフレ経済を招くようなケースですが、記事にあるような倒産した老舗メーカーを大手メーカーが吸収するような健全な動きがある限りおいては、「市場の失敗」の懸念には当たらないように思います。本記事の編集・校正を担当しました。昨年底打ちしたかに見えた企業倒産は今年に入り、一転して減少基調が続いています。そうしたなかで引き続き高水準の件数となっているのが小売業の倒産です。今回の「こうして企業は倒産する」は、そんな小売業の中から、菓子小売にスポットを当てた産業トレンドをお届けします!
食品業界を語る上で欠かせないのが、コンビニのPB問題です。コンビニの限られた棚を獲得したいメーカーからすれば、PB製造を請け負いたい反面、自社NB商品との差別化に困って葛藤するケースがほとんどです。
特にセブンイレブンの場合は、各メーカーのNo1技術を組み合わせて商品を作ることもあり、NBメーカーからすれば、メーカー1社だけでは作れないようなハイレベルな商品をセブンが作ってしまうケースも。
また、商品を完全PBの「セブンピレミアム」にするか、それとも共同開発の「セブン限定商品」にするかで、メーカーとのシビアな交渉が発生します。セブンコーヒーが完全PBなのに対して、今週急遽、販売中止になったセブンの「100円ビール」は、キリンの「一番搾り」ブランドでの提供が予定されていたことからも、こうした微妙な交渉が日々繰り広げられていることがわかります。