【米露首脳会談】中国は関係改善を「歓迎」
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中国にとって、米ロの関係改善は、歓迎する部分と警戒する部分の相反する二面があります。
中国外交部が歓迎する部分とは、米ロの関係改善が中東等における米ロの軍事的ゲームを回避することにつながると考えられることです。
中国は、経済的にはロシアの相手にならぬほど発展し、米国を追い上げていますが、軍事的には米ロに及びません。サウジアラビアとイランの対立など、背後に米国とロシアの軍事力が見えると、これら地域における中国の影響力は低下してしまいます。
米ロが関係改善すれば、中国が影響力を維持しつつ活動しやすくなるという訳です。
一方で中国が警戒するのは、米ロが中国抑え込みで強調することです。トランプ大統領は、あからさまに中国に対して圧力をかけていますが、その目的は、貿易不均衡を目に見える形で改善することです。
ロシアは、自らの裏庭である中央アジアが中国の経済圏に飲み込まれつつあることに警戒し、中央アジア各国に対して中国の脅威を煽るような宣伝工作を行っていると言われます。
中国が経済的に強くなり過ぎることを警戒する米国とロシアが中国の背後で協調すれば、中国の発展にとっての障害となるのです。
特に、中国が国際的な経済ルールをデザインしようとしている現在、米国とロシアが表面的にあるいは水面下でこれに抵抗すれば、中国が思うように利益を上げられるルール構築が難しくなります。
中国としては、当然、表面的には米ロの関係改善を歓迎しつつ、米中両国の真意を慎重に見極めようとするでしょう。
