地方銀行の4割、本業で「3期連続以上の赤字」
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注目のコメント
(過去コメントを一部修正・加筆のうえ再掲)
私は地銀(銀行)が自己資本でリスクを取って自己資金運用事業に取り組むことに反対です。通常の株式会社であれば自己資本でリスクを取るのは株主からの要請であり当たり前のことですが、銀行においては銀行免許という特権を付与された引き換えにそれは制限されていると考えるべきです。そうでなければ地銀はもはや銀行法10条に定める「本業」によって「国民経済の健全な発展に資する」主体ではなく、地方に所在する投資ファンドと変わらなくなってしまいます。
自己資金運用事業でリスクを取るリスク配賦原資は原則として「本業」による期間利益のみ、百歩譲って保有有価証券の含み益も合わせた金額の範囲内に留められるべきであり、「本業利益」が赤字である約6割の地銀は自己資金運用ではリスクを取るべきではありません。
では地銀は今後どうすれば良いのか?自己資金運用による「お化粧」が許されないのであればどう生き残るべきか?
私は「本業回帰」しかないと考えます。残念ながら、これは「この戦略が最適ですよ」という積極的な解ではなく、「もはやこのナローパスしかない」という消極的な解です。ただ、「本業」ではない自己資金運用でリスクを取って収益を狙えないのであれば多くの地銀にとってもはやそれしか道はありません。担保・保証に依存していた貸出し業務をいま一度見直し、事業性評価による貸出しで利回りを高める/維持するよう努める、その事業性評価プロセスのなかで見いだされる資金以外の需要(事業承継需要等)に対するソリューション提供による手数料の獲得、そして個人向け資産運用サービスによる手数料の獲得です。
環境は厳しいですが、地銀は対面顧客接点や預金決済口座、そして何よりも長年の取引関係に基づく信頼やブランドなどの戦略資産を有しており、私はその潜在可能性を信じています。有効な打開策は、地域専業のネットバンクに統合すること。
支店全廃、行員の大幅削減、システム投資の大幅増強。
今の業態のままでなんとか難局を切り抜けようとしても、
出口は見えてこないと思います。