この連載について
昨今、アートやアートビジネスに対する関心が高まっているが、業界にはさまざまなプレーヤーが乱立しており、全体感を把握するのがなかなか難しい。本特集では、アートシーンを彩るプレーヤーを取材。アートビジネスの見取り図を描き、いま、ビジネスパーソンがアートを学ぶ意味を問い直す。
この連載の記事一覧

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関連記事: https://newspicks.com/news/3150241/
"短期的な人気投票ではなく、「長い目で見て支持された作品」の価値が高まると考えています。"
これが実現すると、アートの価値を毀損せずにアート業界への参加者が増える、正にブロックチェーンを活用した素晴らしい事例になる気がします。期待してます!
取材の中で印象的だったのは、長期的な視点での評価の仕方がアートには向いているということです。多数決には向かない価値というのは他にもあろうかと思います。
おそらく、古くなることで価値が増したり、修復の良し悪しで価値が上下する「文化財」や、ワインもこの中に入ってくるのではないかなと思います。価値を可視化しにくいモノに対する、価値評価の思想設計としてとても勉強になりました。
(追記)
贋作を排除できるのが、このネットワークの利点の一つですが、一方で贋作は贋作として評価できる余地が出てきたらも面白いなと思いました。
記事には入っていませんが、施井さんも同様の趣旨のことをおっしゃっていました。
詐欺ができるようになることを勧めるということなのではなく、
本物でないものが、その後別の価値を持つものになる可能性があるのではないかなと思うからです。
先日ちょうど大塚国際美術館に行って、世界の名画の複製を見たときに、複製だけれども、3000円払う価値があるなと。
そういう評価ができないものだと、評価として不完全なものになってしまうなと、、思った次第です。完全なものなどないのだろうと思いますが。
アーティストがこうした技術の利用にどれだけ積極的に応じるか、売買するコレクターに利用する必然性を訴求できるか、またオークション会社等の既存プレイヤーに迎え入れてもらえるかどうかがポイントなんでしょうね。
わざわざこんな特集が組まれるということは、それだけ情報の非対称性の大きなマーケットであることの証ですし、「民主化」されることで割りを食うプレイヤーが多々いるのでしょうから。
特に、最初のアーティストからコレクターへの作品の売買だけでなく、その後のコレクターからコレクターへの売買でもアーティストに還元金が払われるというのがとても良い。
あと、ブロックチェーンを使って資産の最低額で入札者を制限できたりするのも良いね。
これ、あらゆる分野でも同じ課題があるよね。
株式とかだってそうだし。
ええ。なぜ中央集権的である状態が変わらないかというと、アートは一見その価値がわからないもので、解釈が必要だからです。」(記事引用)
アートとはつきつめれば嗜好であり、好きか嫌いかということ。しかし自分の嗜好に自信がないと、解釈を求めるようになる。そして解釈の提供者は権威となる。
「ここで間違ってはいけないのは、「アートの民主化」は単なる多数決ではないということです。アートの評価に多数決を取り入れると、短期的な人気投票によって作品の価値が決まることになります。」(記事引用)
しかし確かに「好き」という人が多いだけで、そのアーティストや作品が優れているとは言い切れない。人気ほどあてにならないものはない。
「ではどうするか。私は「長い目で見た評価」こそがフェアだと考えています。」(記事引用)
歴史の風雪に耐えて残るものを古典という。アートも、一時的流行を超えてこそ、普遍的価値を認められる。そして人類史的文化の大切な一部として継承されていく。
「分かる人は少ないけど、分かる人にはどこまでも分かる」という狭くても深い世界なのかな。
長期的に価値を育み、それを引き継いでいく世界。
ブロックチェーンとアートの意外な掛け合わせの理由が分かりました。この連載、普段と違う脳みそを考えて読んだので不思議な読後感でした。