[フランクフルト 12日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が12日に公表した6月14日の理事会の議事要旨で、インフレ押し上げに必要な限り政策金利を過去最低水準に維持し、金利ガイダンスは「オープンエンド」とみなされるべきとの考えで当局者が一致していたことが明らかになった。

要旨は「インフレ見通しの持続的な調整を確実にする上で必要な限り、政策金利が現在の水準にとどまるとの見通しに合わせ、(ガイダンスについては)オープンエンドな要素を強調すべきと感じられた」とした。

当局者はまた、インフレ押し上げに向けた取り組みではかなり進展し、インフレ率が引き続きECBの目標に向かい上昇していくことを確信しているとの見解でも一致した。

ECBは6月の理事会で、資産買い入れプログラムを10月以降月間150億ユーロに縮小し、年内に終了する方針を示した。金利について「少なくとも2019年夏にかけて」過去最低の現行水準を維持するとの見通しを示し、明確な時期に言及することは避けた。

市場では現在、初回の利上げは19年10月との見方が大勢だが、過去数週間で7─12月の間で振れており、不透明感の高まりを示唆している。

要旨は「多くの国で第1・四半期に見られた景気減速が第2・四半期にも継続する公算が大きく、短期的な下振れリスクを示唆している兆候があることが広く警戒されている」とした。

保護主義的な通商政策に端を発するリスクについては、貿易や成長に打撃をもたらすだけでなく、市場のボラティリティーを拡大するリスクもはらんでいると指摘。「世界金融市場のボラティリティー拡大に伴うリスク」が理事会で大きく取り上げられたことを明らかにした。

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