PL脳が会社を滅ぼす
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マーケットのアプローチ = 投資家目線が、「Why PL脳」のポイントです。
マーケットでは山ほどある会社(日本だけで3000社超。海外を含めると数万社)を横串で見ることが必要なので、PERのPL指標のバリュエーションが最も参照されます。投資家にとり、簡単に計算できますし、比較も容易です。
マーケットが重視するため、経営者もPLを重視します。
なお、業界によっては、EV/EBITDA(アセットを持つ重い産業)、PBR / ROE Regression(金融機関)、EPS CAGR / PEGやRevenue Multiple(ネット)もあります。
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ちなみに、コストとリソースを投じてフルDDできるLBOでは、事業毎のフリーキャッシュフローや平準化EBITDAが最重要です。キャッシュフロー分析がないと金融機関/機関投資家(海外)からレバレッジを得られませんし、投資のリターン分析も行えません会社が重視すべき指標は、事業のフェイズによって移り変わっていくものです。訪問者数や取り扱い高といった中間指標が重要な時期もあれば、売上や営業利益といったPL上の指標を重視すべきタイミングもあることでしょう。
一方で、PLを過度に重視すると、PL上の数値を引き上げること自体が経営の目的であるといった考えや、「黒字だから問題ない」「昨対比で成長しているから問題ない」といった態度に陥ってしまいます。
こうした考えがおかしいということを、周囲が冷静に指摘すべきなのですが、往々にして投資家やアナリスト、メディアまでもがPLを偏重しており、ツッコミが不足しているのがPL脳の呪縛を解くうえでの難点ではないかと思います。
本来は冷静な投資家が声を挙げてツッコミ役になるべきだと思うのですが、マジョリティがPL脳では単に口やかましい「物言う株主」扱いをされてしまうのでしょうね。最近朝倉さんがよく言う「PL脳」って言葉、確かになと思わせるうまい表現だと思います。ビジネス環境の変化が激しい時代には、売り上げと営業利益を最大化すること「だけ」では、中長期的な会社の利益にならない場合もあり得るのでしょうし。
ビュンビュン打ちまくるだけの初期の単純なシューティングゲームではなく、「次の洞窟で呪文使いまくるからここはMP保存しとこう。だから一時的にお金は減るけど今は薬草買いまくっておこう」とか、後々までを見越しより多くの変数に対応するドラクエ的な状況に変わってきているのかもしれません。
いや、実際はRPGなんかより複雑でスリリングなんでしょうけど・・。