オウム事件死刑執行、その正当性と今後の課題を考える(江川紹子)
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ライフワークとして闘ってきた江川氏ならではの論考。一読に値すると思います。問題は、この人の背景が古典的な唯物論に近く、カルト批判は当然としても、それを超えて宗教一般への否定が強すぎることです。そうは言っても、実際は江川氏のような人々しかオウムとは真剣に闘わなかったのは事実で、実に重たい問題。
江川紹子さんは週刊文春でずっと公判の傍聴記録を長期連載で書き続けました。しかし週刊誌もビジネスですから、オウムへの世間の関心が薄くなり、やがて連載が打ち切られてしまう。誰かが記録しなければいけない。いわば公的な使命を背負ったのです。毎日のように法廷に通うのは並大抵の努力ではできない。何よりもそれを発表する場がなければ続けられない。江川さんに相談され、僕は他の週刊誌を探しました。出版系は文春がやめたものをやらない。そこで新聞社系にあたり、週刊読売で継続が決まりました(現在廃刊)。
今回の江川さんの論考に説得力があるのは、事件を一過性のものとせず、取材を継続しなければいけないと自らに果たした責務より発している。江川さんの普段の考察には正直首をかしげることが多いのですが、ことオウム事件についての考察はさすがに鋭いというか、情報量の多さが違うと思いました。
ただ、多くの人が言っている真相が解明されていないというのは、なぜこれほどまでに人がはまってしまったのかということです。裁判記録で麻原彰晃が支離滅裂だったということはわかりましたが、なぜそんな人の下にあれだけの人が集まったのか、集められたのか、本人がどこまで意図をしていたことなのか等、多くの人の疑問には記録からでは答えは見えてきません。