三菱UFJ銀行 福本秀和副頭取 銀信証一体運営で営業強化 多様なニーズ対応
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旧三和のエースの福本副頭取。柔和な物腰の中に一本筋の通った人です。
さて、「銀信証一体」ですが、業界では銀行・証券・信託の機能提供一体化を示す用語として過去十年以上使われてきました。
「銀信証教」と言ってもいいくらい念仏のように唱えられてきたスローガンです。
しかし、三菱UFJは商業銀行が抜きんでて強すぎるため、他のグループ会社のプロダクトのクロスセルを軽視する空気感がありました。
ただ、ここのところ平野さんのイニシアチブもあり、支店の雰囲気もがらっと変わりました。
とはいえ、グループ商品のゴリ押しは単なる利益相反なので、顧客にとっての付加価値を協働でいかに創り出すかを考えてほしいです。法人顧客接点を銀行RM担当者に一本化するとともに、信託・証券などグループ内で完結させることで柔軟な創出が可能な付加価値を提供するというのは戦略的にも非常に効率が良いと思います。
記事にもある通り、相続・事業承継ニーズが非常に高まっているなか、重点顧客分野において個人と法人の垣根はなくなりつつあり、今後は同様の顧客チャネル戦略が他の金融機関でも主流になっていくと予想します。
グループ内に信託や証券を持たない地銀においては、その部分をメガバンクなどの外部機関と連携することで対応し、自行の戦略資産である顧客接点に注力していくことになると考えています。ポイントは以下の部分。
「信託銀行、証券の大阪駐在トップも銀行との一体運営に対してそれぞれ、三菱UFJ信託銀行の安達典宏常務執行役員は「法人オーナーのコンサルティング業務を通じて、取引拡大を図る」、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の岩崎修三専務執行役員は「富裕層向け運用などを通して多様なニーズに応える」と話した。」
メガバンクグループは国内では富裕層取引に注力し、対一般個人顧客取引はITおよびフィンテック活用やコンビニ誘導で低コスト化を徹底します。また、地方優良企業の超低金利一本釣融資は、オーナー富裕層取引の獲得手段として強化するでしょう。一般個人にとって、今後次第に銀行は遠い存在になっていく流れにあります。