米朝の「雪解け」を支えた、シンガポールのインテリジェンス力

2018/6/22

「誰が勝者」は本質ではない

今回の米朝首脳会談に関して、日本語メディアの多くは、「どの国が真の勝者か」という近視眼的な議論に終始した印象が強い。歴史的な視点や国際政治の構造からアプローチする報道は、ごく少数に限られていたと言わざるを得ない。
また、筆者がシンガポールで意見を聞いた様々な国籍の有識者やジャーナリストは、「日本は高官を派遣し、メディアが大挙してやってきたものの、国際政治へのインパクトという文脈では存在感がほとんどなかった」と異口同音に語っている。