【菊間千乃】コーセー社外取締役就任へ。知られざる哲学。

2018/6/30

「夢」はフジテレビアナウンサー

私は子どもの頃からアナウンサーに、それもフジテレビのアナウンサーになりたくて、小学校の卒業アルバムに「将来の夢はフジテレビのアナウンサー」と書いたほどです。
でも、その夢がかなった時に気がついたのは、現役のアナウンサーでいられる期間の短さです。私がアナウンサーになった1995年ごろは、30歳を過ぎても活躍する女性アナウンサーが少なかったんです。ほとんどの先輩は、20代のうちに辞めてフリーになっていました。
あんなに憧れたフジテレビのアナウンサーにようやくなれたのに、それが7〜8年で終わってしまうなんて、あまりにも悲しい。入社時から、自分の「アナウンサー寿命」をどうやったら延ばせるかと考えていました。
若さや勢いだけで通用するのは20代まで。自分より若い新人アナウンサーがどんどん入ってきても、「30代には30代のよさがある」と言ってもらうためには、何かほかの人にはない武器が必要。
そこで考えたのが司法試験に合格することです。
菊間千乃/松尾綜合法律事務所所属の弁護士、コーセー社外取締役。1972 年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、フジテレビにアナウンス職で入社。「めざましテレビ」の中継中に5階建てのビルから転落し重傷を負う。2005年から大宮法科大学院大学に通いだす。2007年年末、フジテレビ退社。2010年司法試験合格。2011年12月から弁護士に。

アナウンサーでいるための「司法試験」

私は法学部出身で、まわりに司法試験の勉強をしている友人が大勢いました。アナウンサーとして事件事故の報道をするにも、法律の知識はあったほうがいい。それなら司法試験に挑戦しようと。