【講義】ソニー復活。その裏にある財務戦略を打ち明けよう
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注目のコメント
ソニーさんは2017年から独自のCF計算書の開示を始めましたが、開示するCF(金融を除く)は事業が現金を稼ぎ出す能力により焦点を当てたのが特徴です。
具体的には、前期の現金収支の状況をスタートに置き、営業や投資、財務活動に伴う収支を反映していきます。ここでは、通常は財務CFとして算入する借入金の返済や資金調達に伴う資金の増減は考慮されません。そういう意味では、有利子負債の新規借入と返済以外の要因で期中にどう増減したかを示すものになっていて、よく考えてあるな、と思います。だからこそ、日経新聞に下記のようなコメントをされていたんだと思います。
『「借り入れを増やせば手元資金が増えるのは当たり前」(村上氏)。借り入れに伴う資金の出入りはあくまで別物とみなし、期中の増減要因から除外する。業績回復による社内の気の緩みが懸念されるなか、より実態を厳しく捉えて無駄な投資を削減する狙いだ。』
2017/10/19付 |日本経済新聞|朝刊 ソニー、最高益へ「決意」 現金収支重視、IRで発信 実態捉えムダな投資削減「会計2.0」特集も、残すところ2日となりました。今日はソニーを取り上げます。日本を代表する8兆円企業を事例に、会計や財務、ファイナンスの知識を深めるきっかけになればと思います。
インタビューに出ていただいたのは、村上敦子執行役員。マネックス証券の初代CFOの経験もある方です。なかなかメディアに登場しない方だそうですが、今回の企画に賛同いただきました。
これから、ソニーの鍵を握るのが、「営業キャッシュフロー」です。「営業利益」でないのがポイントです。その理由とは...本当にわかりやすくて面白い記事。谷口さん、すなださん、ありがとうございます。
事例とその現場の当事者のインタビューが、より理解を深めてくれますね。
ただ、気になる点が1点。
ソニーの考え方で、「回収は早く、支払いはなるべく長く」とありましたが、この考え方、ソニーにとってはものすごい有益だが、ソニーとの提携会社などは資金繰りにあくせくしてしまうのではとも思った。
僕は今、ベンチャー企業ですが、結局現金がないと倒産してしまうので、ソニーのような企業には「回収も早く、支払いも早く」の精神でキャッシュをガンガン回して活性化してほしい。