[ロンドン 13日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比2.4%と、2017年3月以来の低水準だった4月と変わらずだった。

一方、ロイターがまとめたエコノミスト予想の平均値(2.5%)は下回った。

最近の他指標も景気回復の鈍さを示しており、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が利上げを急ぐ必要性を認めない公算が高いとみられている。

スコシア銀行のエコノミスト、アラン・クラーク氏は「まだ利上げを声高に叫ぶ段階にない」と指摘。インフレ率が6月に2.6%か2.7%に加速する可能性があるものの、7月に再び失速し始め、年末までに中銀目標(2%)に戻る公算が大きいとし、「一段と下振れする余地が十分存在する」と述べた。

元政策委員でPwCアドバイザーのアンドリュー・センタンス氏は、インフレが2.5%前後で推移すると予想する。「英国は成長面で主要7カ国(G7)の底辺に近いが、インフレ面でトップ近辺だ。欧州連合(EU)離脱と、利上げに消極的な中銀の姿勢があいまって、国内経済にとって非常に居心地の悪い状況が形成されつつある」と分析した。

ロイターがエコノミストに中銀の動きについて聞いたところ、大半が8月と答えた。ただ、賃金や鉱工業生産指標が軟調となり、疑問視する見方も出ている。クラーク氏は、市場が織り込む8月の利上げ予想確率は50%にとどまると指摘した。

燃料費は前月比で3.8%上昇。2011年1月以来の高い伸びとなった。

ONSの統計学者、マイク・ハーディ氏は「最近の原油コストの大幅上昇がガソリン価格に波及している」と述べた。

一方、変動しやすいコンピューターゲームの価格低下や光熱費の伸び鈍化が燃料費の上昇を相殺した。

また5月の英生産者物価投入指数は前月比2.8%上昇し、2016年10月以来の大きな伸びだった。原材料価格が2017年5月比で9.2%上昇した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想の平均値は7.6%上昇だった。

5月の英生産者物価産出指数は前月比2.9%上昇。予想と一致し、昨年12月以降で最大の伸びとなった。

4月の英住宅価格は前年比3.9%上昇。3月は4.2%上昇と1年ぶりの低い上昇率だった。

ロンドンの住宅価格は1.0%上昇した。3月は小幅に低下していた。

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