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注目のコメント
6月12日に迫る米朝首脳会談でトランプと金正恩が朝鮮戦争の終結宣言に踏み込む可能性が出てきましたが、問題の核心はあくまでも北朝鮮の非核化。トランプ政権からは当初1年をメドにする「迅速な非核化」を主張していましたが、それが物理的に不可能なのは、日本の福島第一原発の廃炉が40年かかることからも想像できます。
それ以前に、秘密裏に進められた核開発計画の放棄を完全に検証するのも、極めて困難な取り組みになります。
北朝鮮が核を手放すには具体的にはどのような工程が必要か、その一端を示した記事です。非核化というのは、歴史上ほとんど先例がありません。せいぜいウクライナくらいですが、あれはウクライナ政府というよりソ連が管理していた核をロシアに移動するだけの話でした。リビアや南アフリカの場合、核兵器が完成していたわけではなく、実験設備を解体する程度の話でした。
すでに完成した核兵器を手放した国というのは例がなく、北朝鮮もまた核兵器を手放すかというと甚だ疑問です。施設や人員の規模が大きいから物理的に難しいという話だけではなく、一番困難なのは、本当に北朝鮮の政府が同意して協力するのか、です。ボルトン国務長官が提案した「リビア方式」は設備の解体、移送と研究者多数の移住を含む物理的に大掛かりな話ですが、北朝鮮側からは論外であるという反応でした。しかし、本当に非核化するならば、物理的に大掛かりな作業は必要になります。おそらく、本当に米朝で合意が成り立つのであれば、北朝鮮は核は保有するが、国際原子力機関の査察を定期的に受ける、といったところではないでしょうか。その程度の条件でないと、北朝鮮側が本当に受け入れて実施はしないでしょう。実現性が担保できない方法で合意してみても、行動はできない。だから問題は確実に行動できるプランが必要ということで、組織の中ではいくらでもある話ですね。特に技術が関わると政治で決められる部分と現実にできる部分が乖離するのが特徴で、経営側からは技術者の言語がわからない、技術側からは経営側が理解しないの非難合戦でスタックしてしまう。本来は問題解決のために協力が必要なわけですが、技術者側のジョブがかかっている場合には非協力が助長されるので、協力する動機、環境を作るのも重要な視点と思います。