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「すべてのトカゲとヘビとミミズトカゲの母」
ということになりますね。
今回発見されたのは最古の有鱗目の化石と考えられていて、その有鱗目とは、トカゲ亜目、ヘビ亜目、ミミズトカゲ亜目を含みます。つまり、ヘビが誕生するよりも前のトカゲということになります。
動物の分類には昔から頭蓋骨や関節部の形状が使われることが多いですが、今回の研究でも化石から3Dモデリングをすることで、頭蓋骨と鎖骨の形状を確認し、有鱗目である可能性が高いという結論になったようです。
また、有鱗目以外の爬虫類としては、カメ目、ムカシトカゲ目、ワニ目があります。有鱗目として認定するためには、これら他の生物との特徴の差が認められる必要があります。
有鱗目の解剖学的な特徴の一つとして、頭蓋骨の側頭弓が消失していることがあります。(他にも半陰茎や卵歯などもある)
両生類や原始的な爬虫類(哺乳類や鳥類の祖先でもある)では、頭蓋骨には穴(側頭窓) はあいていませんが(無弓類)、哺乳類では一つ(単弓類)、2つあくと双弓類と呼ばれ、顎関節が広く開けられるようになり、下顎内転筋の付着面が増えて噛む力が強くなったと考えられています。
現在の爬虫類は双弓類の系統にあると考えられています。しかし、ワニやムカシトカゲは完全な2つの側頭窓を持っていますが、カメやヘビ、鳥類などは二次的に側頭窓を失ったと考えられていて、単純に穴の数だけで分類することは難しいです。
有鱗目では、少なくとも下の側頭窓の下側の骨(側頭弓)が消失していることが特徴で(ヘビではもう一つの側頭弓も消失)、それに伴って方形骨という骨が可動となることで、大きく顎を開くことができる構造になっています。多くの動物では方形骨は聴覚系とも関係も深いですが、種によって役割が大きく異なる面白い骨です。
また、今回の研究では、イグアナ下目よりもヤモリ下目の方がより原始的なグループであることも示されているようです。
有鱗目のもう一つの亜目で、最も新しく出現したミミズトカゲは、ヘビともトカゲともつかない奇妙な動物です。一部の種では前足だけ残っているフタアシミミズトカゲというグループもあり(アホロテトカゲなど)、大変興味深いですね。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/070400252/