コンクリートに火山灰を加えて、より強くより持続可能な未来の街づくり
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【コンクリートはどこから来たのか】
コンクリートの新材料として火山灰が新たに採用された、という文脈のニュースですが、私の見方は違います。
火山灰とは、コンクリートの最初の材料です。
コンクリートの製造は2000年前のローマン・コンクリートが最初と考えられますが、この主材料はズバリ、火山灰でした。
現代のセメントは石灰石から作られますが、古代ローマのコンクリートは火山灰と石灰と粘土から作られました。
ヴェスピオ火山の噴火により火山灰資源が豊富だったローマでは火山灰を活用したコンクリート製法が発達したためです。
しかしその後、コンクリートは歴史から1800年ほど姿を消します。
ローマン・コンクリートが衰退した理由は石灰の品質規定が厳しかったことや、石造りのゴシック建築と煉瓦装のコンクリート建築では建築意匠の方向性が合わなかったこと、技術伝承が途絶えたことなど様々です。
さて、この新しくて古い火山灰コンクリート。
記事中には、「人は使われない“もの”をゴミだと考えがちだが、研究チームは火山灰を優れたもの、利用できるものと位置づけた。」と記されています。
私はこの考えには100%賛成ですが、この「ゴミを活用する」考えが最も浸透している材料があります。
それが現代のセメントです。
国内のセメント製造業では、1000kgのセメントを製造するのに再利用される廃棄物・副産物の量は500kg弱です。
なので、セメントをゴミで置き換える、という考えはリサイクルの観点からはハッキリ言って不利です。だってセメントはもともとゴミからできているんだから。
この考えを見落とすと、セメント製造くらいでしか処理できないどうしようもないゴミが世の中に溢れることを助長しかねません。
セメント製造時に排出される二酸化炭素量を削減すること、現地で芳醇な火山灰資源を活用することには大賛成です。
しかし、新しい材料を使うときには、その影響がどこに波及するかを徹底して考えること、これは技術者の使命であると考えます。
ただ、コンクリートの素晴らしいところはあらゆる材料を受け入れ、一つにすることです。
コンクリートの語源はラテン語のconcretus(con-共に,cretus-成長する)から来ています。
セメントも火山灰も全て受け入れてコンクリートはまだまだ成長します。
Kakuさま
文字数不足故後日失礼
注目のコメント
> コンクリートの語源はラテン語のconcretus(con-共に,cretus-成長する)から来ています。
セメントも火山灰も全て受け入れてコンクリートはまだまだ成長します。
コンクリート愛を感じる良い記事とコメントでした!