【5分で名著】主流派経済学の未来を憂う『21世紀の貨幣論』
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昨日に引き続き、講義録がNewsPicksに掲載されました!フェリックス・マーティン氏の『21世紀の貨幣論』をきっかけに、伝統的な経済学の特徴とその課題を整理する内容です。興味を持たれた方は、以下もぜひご参照下さい^^
「次なる資本主義を訪ねて:マクロ編」
https://note.mu/yagena/n/n8721fec86acf【経済学の近未来】
主流派の経済学では、生産に使われる、資本としての「富」(Capital)と、価値の保存のためだけに蓄積される「富」(Wealth)が区別できていない。
死蔵されるWealthを、実体経済を動かすCapitalとして活用するためのインフラこそが金融システムであるとするならば、現代の経済学は金融という現象を正しく捉えることが出来ていないということになる。それは、非主流派の代表格であるピケティの『21世紀の資本』でも同じで、両者は区別されていない。
これでは、経済学は現実に役に立たない学問と言われてしまう。
資産を資本に変換する仕掛けは、わが国や米国、欧州各国のように資産の蓄積の進んだ先進諸国の経済政策の要になる。
そのためには、近未来の金融には、2種類の異なる富であるWealthとCapitalが自然と区別され、両者を区別することの意義がうまく表現できるような経済学の理論体系が必要。それを構築することが、安田洋祐さんを筆頭にした、次世代の経済学者に期待されていることであると思う。現代経済学の問題点が非常によく整理できていると思います。
結局のところ経済学会は、実体経済の課題を解決することに主眼を置かず、理論体系を構築するための議論を行ってしまったのかもしれません。
現代経済学に批判的なクルーグマン氏も、同じような論考を行っています。
(山形浩生訳の一般理論序文にも収められています)
https://cruel.org/krugman/generaltheoryintro.html