専門家もほとんど理解できなくなってきた「日銀黒田総裁の頭の中」
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注目のコメント
黒田総裁が敢えて難しい言葉を使って誤魔化そうとしているというのは、飛躍し過ぎだ。そんな意図はないだろう。
日銀に限らず、世界中の中央銀行は悩んでいる。これまでの経済学の前提は、足元で起こってる社会現象(スマホがもたらしたライフスタイル変化、情報革命、シェアリングエコノミー、分散化)は想定していない。
もっとはっきり言えば、誰もインフレがなぜ起こりにくいか、正確には分からないのだ。まさに世界の中央銀行もオンゴーイングで迷いながら、学びながら歩を進めている。それは経済学者も専門家も同じだ。
FRBなどは、自ら「謎だ」とも表現したことがある。
そういう状況だから、大事なのは自らの政策の正しさに固執するのではなく修正する柔軟さと、その説明力。その点では日銀にも課題はたくさんあるのかもしれない。恐らく自然利子率を持ち出してきているのは、インフレ目標2%にいかなくても出口に向かうための布石でしょう。利上げしても自然利子率より低くければ緩和継続といえなくもないですからね。ただ、GDPギャップを高めに推計している日銀が自然利子率を正確に推計できるかは微妙ですが。
黒田緩和で起きた事は、「市場がドル高と株高を予想したのでドル高と株高になった。それにより景気が回復した」という事です。
「新黒田理論」が何であるか、正しいのか誤っているのか、という事はどうでも良い話です。市場がそれをどう評価するのか、という事が重要です。
その意味では、黒田総裁が「金融緩和を続ける意志に変化がある」というメッセージを市場に送りたがっているのか否か、だけが重要なのでしょう。