米、金融規制緩和法が成立 大統領署名、転換点に
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ドッドフランク法の緩和案が成立した事実関係しか、ここでは述べられていないので、いくつか補完しましょう。
大銀行はもっと多くを期待したのですが、一番分かりやすい変化は、ストレステストやその他財務規制・行為規制の対象となる機関が総資産500億ドルから5倍の2500億ドルになった点です。これで中堅銀行の負担はだいぶ楽になります。
また、細かなところでは、レバレッジ比率(一般企業の自己資本比率に準ずる比率)の総資産からキャッシュが除かれるなど、大銀行にも関連する緩和策がちりばめられています。
今後も追加緩和の可能性は大きいと思われます。【ルールは変えるもの】
リーマンショックを受けた金融規制の懲罰的強化の
象徴の一つ、ドット・フランク法が緩和される。
振り上げた拳も、必要に応じて下げる、ここに米国の
官民連携のダイナミズムがある。
ルールは神から与えられるものではなく、人間が作るもの。
だから必要に応じてどんどん変えていく。
その際、ウォール街(産業界)と政府は、忖度とか陳情とか
レベルの低い話ではなく、「経済の成長や国の繁栄」に向けて
ガチの議論をする。当然、アメリカファーストの軸はブレない。また、産業界と政府は、壁をぶち抜いたリボルビングドアで繋がっているので、官民に情報の非対称性もない。
トランプ政権は、そのレトリックの部分が日本のメディアでは
面白おかしく取り上げられるが、そんな表面的なことではなくなによりもresult(結果)重視の行動をとって動いている。その点は、歴代共和党政権に共通する。
数日前に、ある米国政府高官と会ってそんな話をしていたが、今回の動きはまさにその延長線上にある。
日本が米国から学ぶべきことはまだまだ多い。金融規制に関する上院で取纏め案が今週火曜日に下院で可決され、24日に大統領署名まで辿り着きました。野崎さんの解説や①の記事にもあるように、選挙中に共和党&トランプ大統領が訴えてた内容からは乖離していますが、その後の財務省を中心とした改革案からは大きく離れておらず、現実的かつ意味のある内容となりました。
今後については、②の記事が示唆するように、金融規制に政治リソースを割くのではなく、しばらく様子見となる可能性は高いと思います。また、ドッドフランクの一つの象徴でもあるボルカールールについては、③の記事にもあるように、ドッドフランク法そのものを改正するのではなく、その下部規定である当局の規則レベルでの修正が続きそうです。
①米下院、ドッド・フランク法改正法案可決 大統領に送付
https://newspicks.com/news/3046347
②焦点:米金融規制の緩和法案可決、さらなる緩和はあるか
https://newspicks.com/news/3051021
③米銀行監督当局:ヘッジ巡る例外規定で要件緩和を準備中-関係者
https://newspicks.com/news/3046226