【新】日米VCが出資。誰もが乗りたくなる「車椅子」への挑戦

2018/5/28
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第140回(全5回)は、500 Startupsを始め、多くの日米VCが出資している、ものづくりを原点とする技術ベンチャー、WHILL(ウィル)が登場する。
パーソナルモビリティ
WHIILLでは、その製品を「電動車椅子」ではなく、こう定義づけている。
車椅子ユーザーも、ユーザーでない人も、乗ることができる、乗りたいと思う。そんな新しい移動手段がWHILLなのだという。
ニュートラルなデザインはグッドデザイン賞を受賞。5〜7.5センチまで段差を乗り越えられる機能性も備わる。
29歳と28歳の3人が起業したのは2012年。大学時代からの仲間で、日本を代表するメーカーのデザインや技術の出身だ。
「すべての人の移動を楽しく、スマートに」
3人は、電動車椅子の概念を変えることをめざしてビジョンをこう定めた。
2013年には米国に本社を移設。試作を重ね、モデル版と普及版を開発すると、2015年からは台湾で製造を開始。空港や観光地などでの移動手段、インフラモビリティの開発が進む。
日米のVCから、合計30億円超の資金調達を実現した。
数あるスタートアップのなかで、ものづくりを原点とするベンチャーは多くはない。
なぜ、彼らはものづくりで起業したのか。なぜ「電動車椅子」だったのか。大企業からベンチャー経営に転じた人生の変化をどうとらえているのか。
3回目までは3人の創業メンバーへのインタビュー、4回目はインターンシップから入社したユーザー社員へのインタビュー、そして5回目は鼎談をお届けする──。