【出澤社長独占】LINEはスマホ型メガバンクになるか「金融にスマホの洗礼を」
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注目のコメント
(LINEと野村證券の提携発表時の過去コメント再掲)
大和証券とKDDIの提携発表の際もPickしましたが、同様の理由で今回の野村證券とLINEの取組みについても、パラダイムシフトにつながるものではないと考えます。
理由について、①単一の金融付加価値の深堀りと②複数の金融付加価値の掛け算+αという2つの観点から整理をします。
観点①:先日のPickで詳説させて頂いた通り、「資産運用」という付加価値が変容しつつあるなか、対面顧客接点における当該価値創造の強化がビジネス成長(not パラダイムシフト)のカギと考えています。勿論、LINEのUI/UX等の深い知見が非対面接点での創造価値を大きくする可能性も高いと思いますが、私は対面接点のテクノロジー活用強化に優位性を感じます。
観点②:金融庁の金融制度スタディグループでも例として取り上げられていましたが、消費生活プラットフォームである中国アリババは既に自社経済圏で「決済」「資金供与」「資産運用」「リスク移転」という全ての金融付加価値を提供しており、デジタル化した消費生活を包括的に取り込むことに成功しています。このような複数の付加価値の掛け算、そして消費生活との接合こそが近未来のパラダイムシフトを起こす原動力のひとつと考えています。
これら観点で大和証券と野村證券の取組みをみると、(現時点では)単一付加価値を生活者の消費生活ではなく、その一部であるコミュニケーション生活とのみ接合しようとしているように思われ、その限界を感じます。
私はパラダイムシフトの担い手として、中国アリババと米国Amazonを追いかけられる日本勢は楽天とメルカリではないかというイメージを持っています(あくまで可能性ですが)。二点。
金融において、チャネルは重要。LINEの普段から使われている接点を持っていることは強いと思う。ただ、かといってチャネルだけで全てのシェア・ニーズを取れるわけでもない。
コンビニATMは便利だし、個人の日々の引き出しのニーズや、中小企業の日々の入出金をかなりできるようになった。それでも、銀行業務の一部だけを担っている状態。
ITバブルの際にもネット銀行がすべての銀行を駆逐するといった議論があったが、店舗がないことによって販管費は抑えられても、預かった資金の運用といった観点でスケールできず、結局メガもネット銀行を解説することによって、フロントの接点頻度がリアル→ネットにシフトしたに留まった。
二つ目は、金融というよりLINEという会社自体について、グローバルに広がるということを見切ったインタビューのように感じた。
足元、海外MAUは伸びていない(下記)。そして金融は各国の規制もあるし、商習慣も関わっており、ローカルなものになりがち。よりプラットフォームとして強い領域で深く浸透してマネタイズを図っていくのはPL的には良いのだが、グロースという観点ではLINEも世界展開の壁を越えられなかった(数値的には厳しかったが、施策という観点でも国内を深堀するほうに振り切るという宣言にも感じる)という風に感じる。
https://newspicks.com/news/2983642LINE Payはかなり便利だと思う。一方で、もっとUIはよくできると思うので、今後その点を期待したい。
LINEフィナンシャルの構想を見て、以前にDMMの亀山さんが仰っていたが、やはり金融は儲かるのだなと思った。
『【DMM亀山】俺が社長をやめたのは「メルカリ」がきっかけだった』
https://newspicks.com/news/2902490
昔よりも圧倒的にお金のやりとりが簡単になり、お金自体のプレゼンスは下がってきている気がするが、そんなサービスが儲かるというのはどこか違和感がある。圧倒的に便利なので気にせずに使うが。